転籍のメリット・デメリット

行政書士法人IMSの冨田です。

以前このブログにも書きましたが、戸籍の重要な要素である「本籍」は、実在する地番でさえあれば、どこでも好きなところに定めることができます。また、何度でも自由に変更すること(転籍)ができます。

住んでいる場所と本籍が同じであれば、戸籍の証明書も近くの市区町村の窓口で発行してもらえますので手続きが簡単です。そのため、引越すたびに本籍も変更してしまえば楽、と考える方もいらっしゃるようです。

そこで本日は転籍のメリットとデメリットをご紹介したいと思います。

 

まずメリットとしては、先ほどもご紹介したように、いつでも簡単に戸籍の証明書が取得できることが挙げられます。

そしてもうひとつ、離婚歴や再婚歴のような情報を現戸籍に記載しなくて済むということがあります。

本籍を他の市区町村に移す場合、新しく作成される戸籍は以前のものと全く同じになるわけではなく、書き写されない項目もあります。これは法律で決まっていて、例えば離婚や認知に関しては新しい戸籍には記載されません。

もちろん、転籍前の本籍地で除籍謄抄本を取得すれば記録は見ることができますが、とりあえず現戸籍だけでは離婚歴等はわからなくなりますので、戸籍等抄本を提出する相手方に知られる個人的な情報を最小限に抑えることができます。

 

次にデメリットを考えると、まず相続時の手続きが煩雑になることが挙げられます。

相続手続きをする際は出生から死亡までの全ての戸籍証明書が必要となるため、ほどんどの場合で複数の証明書を取得することになります。まずご両親のどちらかが筆頭者となっている出生時の戸籍が1通と、既婚者であれば夫婦のどちらかが筆頭者である結婚してからのもの、更にある程度の年齢の方であれば戸籍法の改正による戸籍の改製が行われていますので、改製原戸籍も必要となり、通常でも3~4通は必要となります。

もし転籍もしているとなると、その本籍地ごとに請求をして取得をする必要がでてきますので、更に通数が増えることになりますし、それが遠方であれば、わざわざ取りに出向くか郵送請求するか若しくはマイナンバーカードで取得しなくてはならず、大変な手間がかかります。

また、転籍をすると古い方の戸籍は除籍されるため、除籍謄本を請求することになります。証明書の手数料は自治体ごとに決まっていますが、たいてい現戸籍は450円で、除籍等抄本は750円ですので、出費も増えてしまいます。

本籍地を変更したという記録をご自身できちんと管理されていれば一気に取得することもできますが、わからなくなってしまっている場合は、直近のものから順に情報を探して遡る作業も必要になります。

 

以上、転籍のメリットとデメリットを挙げてみました。

私が業務で携わっている印象としましては、どうしても必要と思われる場合にのみ行うのが無難かと思いますが、各ご家庭それぞれのご事情に合わせ、熟考の上で行っていただければと思います。

 

 

 

 

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