商機とビジネスリスク

 

シニアマネージャーの川口です。

 

最近、御客様、他の分野を専門とする士業の先生や

私の友人より、

「外国人観光客が大幅に増加傾向で、2020年には

東京オリンピックも開催されて、外国人ビザの

お仕事は増えていく一方なのではないですか?

それだけの追い風があって、本当に羨ましいです。」

といったお話を、よく伺います。

 

実は正直に申し上げますと、私個人的に、特に現時点では、

外国人観光客数の増加や東京オリンピック開催による影響は、

実感としてほとんどございませんし、今後も

イメージされているほどの大きな影響はない、と考えています。

 

理由としてはまず、外国人の観光客数が顕著に

増加していることは事実ですが、あくまで観光のため、

査証免除国の方々(観光目的での来日に、ビザ申請が

不要な国籍者)に関しては、そもそもビザの申請自体が発生せず、

私共の業務に直接の影響をもたらすことはございません。

 

また、査証免除国ではない国の方々(観光での来日のためにも

ビザを申請する必要がある国籍者)の場合であっても、

出身国または居住国における日本大使館・領事館で

ビザを申請しますが、現地在外公館での本人申請となるため、

私共が申請を代行することはございません。

(勿論、ご相談対応などはございます)

 

我々の業務に大きな影響を及ぼすのは、「中長期在留者」と

呼ばれる、3ヶ月を越えて、何らかの在留資格で

日本に在留する方々です。

 

以下、「在留外国人数の推移」(法務省発表資料)の

グラフで、その数値の推移を視覚的に把握できます。

http://www.moj.go.jp/content/001140153.pdf

 

平成19年(2007年)以降は、200万人強の数値で推移しており、

東日本大震災が発生した平成23年(2011年)を含めて、

実はそこまで大幅な増減はなく、近年はほぼ横ばいと言えます。

 

もちろん、ここ数年は増加傾向となり、今後も日本政府の

様々な施策により、緩やかな右上がりの傾向になるとは

推測しうるものの、外国人観光客数の推移のような、

顕著と言える増加傾向までにはならない、と考えています。

 

中長期在留者、イコール在留資格の申請が必要な方々ですが、

その中長期滞在者にもし今後、飛躍的な増加が発生するとすれば、

大幅に在留資格の要件が緩和されたり、難易度が比較的

高くないような在留資格が大幅に増加、といった

劇的と言える変化が起こる場合です。

 

法律の大幅改正は頻繁に発生するものではないですし、

徐々に緩和や改正ということはあっても、ある時を境に

急激な緩和、といった事態は推測し難いです。

 

ただ、逆に言いますと、極端な増減がなく底堅い、

中長期在留者が200万人以上もおり、その中で

我々のような行政書士に在留資格の申請を

依頼されている方は、まだまだごく少数と推測され、

そこに我々の商機はもちろん見い出せます。

 

また、日本政府が2008年に「留学生30万人計画」を発表後、

留学生数は顕著に増加しており、今後ますます増えていくと

見込まれます。

 

いずれにしても、留学生であれ、就労者やその他の方々であれ、

結局は日本にこの先、「定着してもらえるかどうか」が、

我々のビジネスに大きく影響を与えます。

 

本年4月、「高度専門職」(本日は詳しい説明を割愛しますが、

高度の専門的な能力を有する、外国人の受入促進のための措置)

という、新しい在留資格が新設されました。

 

例えばこういった施策が、外国人ご本人達にとって、

いかに大きな「メリット」と感じてもらえるかや、

生活面ほかあらゆる面で、日本に長期的に滞在することに

「魅力」を感じてもらえるか、それにより中長期滞在者数の

増減が大きく左右されると思います。

 

弊社は複数の大学様ほか、一般の企業様や個人の御客様からも、

多くご依頼をいただいております。

 

我々は、外国人の方でビザ申請に対するご負担や煩わしさ

(書類作成の大変さや、以前からお話している入国管理局の

大混雑など)を感じている方がいらっしゃれば、

ぜひお役に立ちたいと考えていますし、外国人を受け入れる

日本人のご関係者につきましても、ご負担を最小限に止めるべく、

日々従事しております。

 

その結果として、外国人の方々やご関係者にお喜びいただいたり、

やがてその外国人の方々が、日本に中長期的に滞在していただく

ことに繋がれば、それ以上仕事冥利に尽きることはございません。

 

結論としまして、年間の外国人観光客数の推移や、

オリンピック開催の影響など、いわば比較的短期的と言える

動向については、今後の経過を見守る必要性は当然あるものの、

弊社の業務への影響は、大きくはないと考えています。

 

どちらかと言いますと、高齢化、労働力人口の減少などの

日本社会全体が抱える問題、あらゆる分野で進む

「グローバル化」といった、中長期的な社会情勢の方が、

今後も弊社の業務への影響が大きいと思います。

 

ただ結局のところ、我々の使命は同じです。

 

当然、我々が黙っていても仕事が増える、といったことは

あり得ません。

あらゆるビジネスと同様、時代の変化に常に対応していかなくては

ならないという点で、弊社も全く例外ではありません。

 

私個人としましても、今後も日々の業務に全力で取り組み、

御客様と真摯に向き合い、精進や自己研鑚を日々怠らず、

油断や慢心こそが、ビジネスにおける最大のリスクと捉え、

初心を忘れずに邁進していく所存です。

 

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(表参道の某カフェにて)

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