専門学校卒業生の就労資格

 

シニアマネージャーの川口です。

 

年末を迎える時期ということもあり、

来年4月の入社(新卒採用)を見据えた、

就労資格に関するご質問が頻発しています。

 

特に最近、

「当社のアルバイトで、現在日本の

専門学校に通っているスタッフがいます。

非常に優秀なスタッフで、来年3月の卒業後に

正社員として採用したいのですが、

ビザは取得できそうでしょうか?」

というご質問を、複数の御客様から頂戴しました。

 

こういったご質問をいただく際、私はいつも、

「ご本人様の専門学校での学習内容と、

実際に従事する職務内容によって、

可能性は大きく変動します。

具体的に、現在どういった学校に通学され、御社で

どういった職位・職務内容でのご採用をお考えですか?」

と返答します。

 

以前の私のブログ、「就労資格の基本要件」で

ご紹介した通り、一般的な就労資格である

「技術・人文知識・国際業務」の申請の基本要件として、

まず以下の(1)から(4)のいずれかを

満たさなければなりません。

(簡潔に、細かな点や例外は割愛します)

 

(1)

大学を卒業し、又は同等以上の教育を受けたこと。

(四年制大学を卒業された方であれば、

国内外・学部を問わず、概ね申請可)

 

(2)

本邦の専修学校の専門課程を修了したこと。

(「日本」の専門学校卒で、「専門士」の学位取得者)

 

(3)

10年以上の実務経験

(翻訳・通訳業務等は3年以上で可など、職種による例外あり)

 

(4)

法務大臣が告示をもって定める、情報処理技術に関する有資格者

(情報技術者試験関連など多数)

 

最近御客様からいただいたお問い合わせに関する方々は全員、

大学を卒業されていなかったため、上記(2)に該当しました。

 

最終学歴が日本の専門学校卒の方の場合、

最も注意が必要な点は、専門学校で学んだ内容と

実際の職務内容に、「深い関連性」があることです。

 

私の経験上、大学卒の方の場合、学習内容と職務内容に

「何らかの関連性」さえ見い出せれば、よほど

かすりもしないような状況を除き、許可の可能性は

十分に見込める、と考えています。

 

一方、専門学校卒の方の場合は実際上、学習内容が

職務内容にほぼ「直結」しない限り、入国管理局は

許可を出さない、と実感しています。

 

例えば、

IT専門学校卒→IT技術者

Web専門学校卒→Webデザイナー

外国語専門学校卒→通訳

といったように、非常にわかりやすいと言えるレベルで、

学習内容と職務内容との間の深い関連性が必要です。

 

実際にその関連性が希薄だったため不許可となり、

結果を受領後に弊社へお問い合わせいただく、

といったケースも過去に多数あります。

 

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また当然ながら、大前提として職務内容が

「技術・人文知識・国際業務」に該当しなければなりません。

 

近年、街中で留学生のアルバイトの方々を日常的に

お見受けするような、コンビニエンスストアのレジ、

飲食店のホールスタッフ、といった職種は、現行法上

残念ながら該当しないため、ご本人の経歴に関わらず、

就労資格(ビザ)の取得は非常に困難(※)と言えます。

 

※100%否定しない言い回しの意図は、

上記以外の業務が発生するか等、

その他の細かな要素も影響を及ぼすためです。

 

留学生のアルバイトの場合、原則週28時間という

時間制限の規定はあるものの、風俗営業に関する

業務以外であれば、職務内容に関しては

幅広く包括的に許可されています。

 

しかし、就労資格の申請(今回のような正社員採用)の場合、

前述のような職務に該当するビザ自体が存在しないため、

アルバイトに比べて、職種の幅が狭まります。

 

さらに、専門学校卒の方々の場合は、

学習内容との深い関連性が求められるため、

選択肢は非常に限定される、と言えます。

 

いずれにしましても、就労資格の申請を行う上で、

「学歴と職務内容の関連性」という観点は、

学歴を問わず非常に重要です。

 

(1)まず従事予定の職務内容に該当するビザ自体が存在するのか、

(2)申請の必要要件を本人が満たしているか、

(3)本人の経歴と職務内容との間に、関連性が見い出せるか、

(4)それらに基づく許可取得の可能性の有無、

といった分析や関連情報の収集は、外国人ご本人や

受け入れる企業様・団体様によほどの申請実績やご経験が

おありでない限り、非常に困難だと思います。

 

以前の別のブログ「申請に慎重さを要する理由」でも

述べました通り、就労資格の申請に関しては、

先々の大きな問題へと発展しないよう、

注意深く準備を進める必要があります。

 

専門学校卒業生のご採用をご検討の際は、

前述の理由から特に慎重に、弊社に限らず

専門家に一度ご相談いただくことを推奨します。

 

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