「5年」の許可は当たり前か

 

シニアマネージャーの川口です。

 

3月下旬は、1月から2月に就労資格の申請を行った、

4月入社の新卒の方々の、許可引き取りの

ピークと言える時期を迎えていました。

 

この4月入社の方の申請は、私のキャリアの中でも

圧倒的に最多といえるご依頼件数でしたが、

全員無事に許可となり、またほとんどの方々は、

現行法上の最長の許可期間である

「5年」の許可となりました。

 

ご依頼をいただく前、複数の御客様から

「噂では、日本の就労ビザはだんだん基準が

緩やかになっていると聞いていますが、本当ですか?」

「5年のビザをもらう人が増えていて、最近の

就労ビザは、5年の許可が当たり前なんですよね?」

というお問い合わせをいただきましたが、

私はいずれのご質問も、肯定しませんでした。

 

就労資格で許可される期間は、3ヶ月、1年、

3年、5年、の4種類しか存在しませんが、

どの期間が付与されるかは、受入企業と

本人との契約期間、受入企業の規模、

本人のこれまでの滞在歴ほか、

様々な要素によって決定されます。

 

その中でも、大手企業に入社するか

(あるいは在職しているか)否か、

という点が特に大きな要素である点は否めず、

大手に就職が決まった方のほとんどは、

5年の許可が付与されています。

 

※ここでいう「大手」とは、以下法務省が案内している、

「カテゴリー2」以上の企業です。

http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00093.html

 

だからと言って、大手企業イコール5年の許可では決してなく、

実際に1年の許可を受領して毎年更新されている方も

いらっしゃいますし、前述の口コミの

「日本の就労ビザの基準は緩やかになっている。」

ということはまず無い、と私は認識しています。

 

基準が緩やかになっているというよりは、

「正当な申請」さえ行えば、3年や5年と

いった長期の許可期間が付与される、

というのが私の認識です。

 

申請によっては難易度が異なり、申請書プラス

ごく最低限の提出書類で許可となる申請もあれば、

ケースバイケースでそれだけでは足りず、

多くの資料が必要となる申請もあります。

 

例えば、

「職務内容の詳細」

「1日の業務のタイムスケジュール」

「中長期的なキャリアプラン」

といった内容に関する説明文書が必要となる

(あるいは求められる)場合があります。

 

入国管理局が説明を求める「タイムスケジュール」とは、

例えば毎日9時から18時まで就労するとして、

9時から10時までが何の業務、次に10時から

12時までが何の業務、13時から●●時が何の業務、

といった1日の業務の時間配分です。

 

私の実感としては、申請書の記載内容だけでは、

どういった業務かのイメージや実態が

審査官につかめないような職務の場合に、

説明が求められていると実感しています。

 

「キャリアプラン」とは、入社後1年間は

こういった職位で職務内容、2年後から3年後は

こういった職位で職務内容、5年後には…といった

キャリア形成に関する説明文書です。

 

弊社は年間を通じて就労資格の申請を

行っているため、どういった申請の場合に、

前述のような説明(書類提出)が求められるか

という点に関しては、ほぼ事前に予測がつきます。

 

そのため、弊社は申請のご依頼をいただく段階で、

申請の難易度や必要となる書類を概ね見極めており、

そういった説明文書が必要となるケースか否か、

という点に関しても、特に最近は弊社の読み通りとなっています。

 

そして、前述のような説明文書を入念に作成し

提出した場合、審査はスムーズに進み、

かつ許可される期間も3年や5年、

という結果を実感しています。

 

こういった、詳細な説明文書の提出が求められている時点で、

「審査基準が緩くなっている」とは到底思えません。

 

ただ逆に言えば、その詳細な説明文書で審査官を

納得させられるだけの内容を記載・提示すれば、

3年や5年の許可となる、と認識しており、

それが私が言う「正当な申請」です。

 

今回、4月入社の方のご依頼の中でも、

特に難易度が高いと見込んでいた

ある申請に関しても、審査官からの質問が入る前に、

前述のような詳細な説明文書を添付し、

スムーズに5年の許可となりました。

 

逆にその詳細説明がなければ、追加の資料提出が

発生していたか、最悪の場合は不許可となっていても

不思議ではないくらいの、本当に難しい申請でした。

 

ご本人自身も申請の難しさを事前に理解されており、

最終的に5年の許可となった際は、予想以上の結果だった

ご様子で、私が尽力した分以上の感謝のお言葉をいただきました。

 

常日頃から私がこの場で述べている通り、

我々の業務には常に重責が伴い、

人の人生を大きく左右する業務と言えます。

 

ただその分、御客様から自分の想像を超えて

感謝していただけることもあり、そういった出来事は

何度味わっても感動的で格別です。

 

我々はプロとして、「最善の方法で最大限の

結果をもたらす申請」を御客様に常に

提供できるよう、常時変化する入国管理局の

審査基準・運用の動向や情報収集を怠らず、

日々研鑚し続けたいと思います。

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