在留資格「技能」の要件拡充について

こんにちは行政書士法人IMSの天野です。

先日新聞を読んでいて「政府が外国人のインストラクターの在留資格の要件を広げる

方針を固めた」という記事が目に留まりました。

 

従来はスポーツ指導者として日本に滞在するための在留資格「技能」を得るには、

3年以上の実務経験又は五輪や世界選手権大会などの国際大会出場経験者であることが必要でした

(第八号(スポーツ指導者))。

 

法務省は新たに国際スキー教師連盟から最高レベルに認定されたインストラクターを

加える予定です。

これは、少子化の影響で国内のスキー人口が減少する中、外国語を使えるインストラクターを

確保し、海外から多くのスキー観光客を呼び込むことで、リゾート地の活性化を目指す狙いが

あります。

なお、最高レベルに認定されたインストラクターに付与されるカードの保持者は世界に

約1万7百人おり、政府は早ければ夏までに省令を改正する見込みです。

 

記事を読んでいて、外国人労働者受入にかかる政府の基本的方針が変化していると感じました。

これまでは、日本の国民から就労の機会を奪うことや、外国人労働者の安い賃金につられて国民の

賃金が引き下げられることを防ぐため、原則として、外国人労働者は高度なスキルが求められる

仕事に限定されてきました。

 

しかし、昨今在留資格に「介護」を加える法案が国会で継続審議され、

国家戦略特区で外国人による家事支援サービスが解禁されたことから考えても、

政府は高度なスキルを有さない外国人も必要に応じて積極的に活用するべきという方針に

変化しつつあると感じます。

 

これは、海外の多様な人材を受け入れることにより、日本社会の活力を取り戻すことが

できるのではないかという考えによるものと推測します。

外国人が日本に多数入ってきて活動することは、日本の不足している労働力を補てんするだけ

でなく、消費者としても国内の経済の活力になる可能性があり、また、外国人に門戸を開放する

ことで、外国の優秀な人材が日本に入ってきてくれることが期待できます。

アメリカが世界の中で圧倒的な地位を築き上げたのは、海外から多くの有能な人材を受け入れて、

その人たちが社会のあらゆる分野で活躍したこともその大きな要因です。

 

これから確実に訪れる人口減社会を受け入れて、縮小均衡の社会を目指すのか、

外国人を積極的に受入れて、日本社会の同質性を捨てても活力ある社会の維持を目指すのか、

これは、そういった国のあり方に関わる議論という視点を持ち、引き続きこの問題を

注視して参ります。

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