ビザと再入国許可

行政書士の山口です。

先日、ある学術機関の職員の方から、「1年の在留期間を与えられた教授が、一時帰国することになった。その方のパスポートに貼られているビザを見ると、No.of entriesの項目がSINGLEと書かれているが、再来日するために再度ビザを取得する必要があるか」というご質問をいただきました。

結論から申し上げますと、こちらの方の場合、一時出国後、在留期限到来までに再度入国する場合は、出国前に何らかの申請は必要なく、「教授」の在留資格のまま、再来日することが可能です。

外国人の方は、原則、来日する前に、海外にある日本大使館または領事館にて「ビザ(査証)」を申請し、許可される必要があります。パスポートに貼られたビザを提示し、日本への入国が許可されたら、「在留資格」が与えられます。この日本に滞在するためのステータスを示す「在留資格」も時折、「ビザ」と呼ばれることが多くあります。そのため、「ビザ(査証)」と「在留資格」を混同されている方が多くいらっしゃるように感じます。

まず、「ビザ(査証)」は、日本で滞在する資格を持たない方が、日本に上陸する際に必要なものです。そのため、上陸審査時にビザを提示し、入国が認められたら、そのビザは役割を果たした、ということになります。冒頭の方のように、ビザに書かれたNo.of entries、つまり入国回数がSINGLE(一次)であれば、許可された入国回数は1回のみのため、一度上陸をしたら、そのビザは「お役御免」ということになります。

では、一度日本に上陸した方が、いったん出国し、再来日する場合は、またビザを取得しなければならないのか、というと必ずしもそうではありません。外国人の方が、一時的に出国し、再度同様の在留資格にて来日を希望する場合は、入国管理局にて「再入国許可」を申請、取得すれば、出国後に再度ビザを申請しなくても、従前の在留資格にて入国することが可能です。再入国許可は、一時出国前に、申請する必要があります。

しかし、冒頭の方の場合、「出国前に何らかの申請は必要なく」と書きました。これは、「みなし再入国許可」という制度によるものです。これは、「在留カード」を保持している方の場合、「出国の日から1年以内に再入国する場合には、原則として通常の再入国許可の取得を不要とする」という制度です(在留期限が1年以内に到来する場合は、在留期限まで)。この「在留カード」は在留資格にもよりますが、基本的に3ヶ月以上の在留期間を認められた方に発行されます。

冒頭の方は、「教授」の在留資格で、1年の在留期間が与えられたとのことですので、在留カードが発行されているはずです。また、在留期間が1年であれば、1年以内(在留期限以内)に来日のご予定がある、ということです。そのため、結論のとおり、出国前に申請を行うことなく、同じ「教授」という在留資格で再来日が可能となるのです。

ただし、在留期間が3ヶ月であり在留カードが発行されていない方や、また在留カードを保持している方でも、1年以内に再来日する予定がない方は、「再入国許可」が必要となりますので、ご留意ください。

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