難民認定制度の運用変更

こんにちは、行政書士法人IMSの岩渕です。

昨日、就労目的の「偽装申請」が横行する日本の難民認定制度について、法務省は、申請6か月後から一律に日本での就労を許可する現在の運用を撤廃し、就労を大幅に制限する新たな運用を始める方針を決めた、と各種ニュースで取り上げられました。早ければ11月中にも実施される見込みで、年間1万人を超す申請者の大半が就労できなくなるとみられ、急増する申請数の大幅な抑制が期待されます。

これまでは、審査には平均約10か月程かかっていたと言われますが、新たな運用では、全ての難民申請者について申請2か月以内に「簡易審査」を行い、四つのカテゴリーに分類されます。「難民の可能性が高い申請者」については、6か月が経過しなくても、速やかに就労を許可されます。ただし、そこに分類される申請者は、全体の1%未満とみられています。

平成28年に日本において難民認定申請を行った人は10,901人であり,前年に比べ3,315人(約44%)増加しています。また,難民の認定をしない処分に対して不服申立てを行った人は5,197人であり,前年に比べ2,077人(約67%)増加し,申請数及び不服申立数いずれも,日本に難民認定制度が発足した昭和57年以降最多となっています。なお、難民として認定された人は28人のみでした。

これまでは、難民申請を行ってから6か月後に一律に日本での就労が許可されることを目的とした、「偽装難民申請」が横行していました。確かに、東京入国管理局でも大変多くの難民申請者を見かけますが、全ての方が難民条約や日本の難民制度にいう「難民」に該当するとは、想定しがたいのが現状かと思われます。

ここでいう「難民」とは,難民条約第1条又は議定書第1条の規定により定義される難民を意味し,人種,宗教,国籍,特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいる者であって,その国籍国の保護を受けることができないか又はそれを望まない者とされています。従いまして、経済的に困難な状況にあることを理由として本国を逃れてくる、いわゆる「経済難民」はここに該当しません。

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