偽装滞在者への対策強化

こんにちは、行政書士法人IMSの岩渕です。
平成28年11月18日、第192回臨時国会において「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」が成立し、同月28日に公布されています。

この改正法は、介護福祉士の資格を有する外国人が介護業務に従事するための在留資格を設けたこと、並びにいわゆる偽装滞在者の問題に対処するため、罰則の整備及び在留資格取消制度の強化を行うことを内容とするものです。介護福祉士に関する在留資格の新設については注目されましたが、偽装滞在者に関する法改正については、印象に残っていない方も多いのではないでしょうか。

近年、偽造した卒業証明書や虚偽の雇用証明書等を提出して不正に在留資格を得る外国人や、実習先から無断で立ち去り他の職に就く失踪技能実習生等の偽装滞在者の存在が問題となっており、偽装滞在者への対策を強化するため改正が行われたものです。

先ず、偽装滞在者に係る罰則が整備されました。偽りその他不正の手段により在留資格の変更や更新、永住権の取得を受けた者は、3年以下の懲役又は禁錮、300万円以下の罰金(いずれか、または両方)に科せられます。さらに、営利目的でこのような行為を行うことを容易にした者についても、通常の幇助犯処罰の刑(正犯の法定刑の半分)よりも重い3年以下の懲役又は300万円以下の罰金のいずれか又は両方を科す、されています。

次に、在留資格取消制度が強化されました。具体的には、①在留資格取消事由が新設され、②調査主体が追加されました。①については、日本において行うことができる活動が定められている在留資格(入管法別表第一の在留資格)によって在留しながら、実際はその活動をしていない外国人に対する在留資格取消事由として、在留資格に応じた活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留している場合、という新しい取消事由が定められました(第22条の4第1項第5号)。

これまでは、在留資格に応じた活動を3か月以上行っていない場合に初めて在留資格の取消しが可能とされていましたが、新設された取消事由により、3か月経たない場合においても、在留資格に応じた活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうしている場合には、在留資格を取り消すことが可能となりました(ただし、正当な理由がある場合は除かれています。)。

②については、在留資格を取り消すかどうかを判断する前提となる事実の調査は、従来の入国審査官だけでなく入国警備官も行えるようになりました。

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