アメリカで働くためのビザ(その1)

こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。

 

アメリカで働きたいと考えている方は少なくないと思いますが、一番難しいのは、働き先を見つけることではなく、ビザを取ることだということは案外知られていません。外国人を受け入れて働かせるということは、その国の人の雇用を奪うことにも繋がりますので、大変厳しい制限がかかっています。

 

直接アメリカの企業に採用されて働きたいと思った場合には、まずは専門職としてビザを取ることを考えると思います。それがH-1Bビザです。それでは、どういう人がH-1Bを取ることができているか、米国移民局(U.S. Citizenship and Immigration Services)が発表している2017年のデータを眺めてみましょう。

 

業種としては、コンピュータ系が全体の70%です。その他は、工学 8%、MBAなどの管理系 5.6%、教育 5.1%、医薬系 4%などとなっています。国別ではインドがダントツ一位で全体の75%、2位は中国で9%程度です。ちなみに日本人は0.3%程度とごく少数です。

 

年齢別には、30歳台が全体の62%、25-29歳が26%となっています。 学歴は、大学学部卒と修士が45%ずつ、博士が7%です。残りも法律や会計などの専門学位を持っている人で、高校卒以下は1%にすぎません。H-1Bを取るためには高い学歴が必須です。

 

専門職ですので、給与も高く、H-1Bを取得できた人全体の平均は9万4千ドル(約1,050万円)です。初めてH-1Bを取った人に限定しても8万6千ドル(約960万円)となっています。

 

逆に言えば、そのくらいの給料をもらえるような、アメリカ国内でもなかなか見つけることができない高度人材でないと、H-1Bを取ることは難しいのです。そして、H-1Bには学歴以外にもう一つの壁があります。それがコンピューターによる無作為抽選です。H-1Bビザは年間の申請枠数が法律上定められているので、諸条件を完璧に満たしていたとしても、抽選に当たらない限り、原則審査にすら進めません。

 

トランプ政権になり、アメリカ人の雇用を守るという政策(Buy American and Hire American)の下、H-1Bの取得はますます難しくなっています。高度な職を得られる高学歴専門職の人たちがひしめき合い、その中で抽選が行われるため、取得することが大変難しいビザなのです。

 

それでは、H-1B以外のビザで、アメリカで仕事をする方法はないのでしょうか?この点については、次回以降ご案内します。

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