ジョンが行く:アルバイトの決まり

こんにちは、桑原です。オリンピックの観戦チケットが5月9日に販売が開始され、1時間後に特設サイトがダウンする等チケット争奪戦となっているようです。日本での開催は前回から56年ぶりですし、この後開催されるとしても遥か先となるでしょうから、観たい気持ち、分かります。私も個人的に抽選結果を待っている身ですが、外れたらテレビで応援します。海外からも沢山の人に来てもらって盛り上げて欲しいですね。日本は比較的入りやすい国だと思いますが、日本に上陸できない人もいるのです。感染症を患っていたり犯歴があると、入国審査の際に上陸拒否され、本国へ送還されてしまいます。ジョンくんは前回無事日本に上陸できましたが、その後日本の生活日本に慣れたのでしょうか。半分フィクション前回のジョンが行くはこちら

 

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「ふわぁ、眠い…」

 

ジョンくんはプログラムを作りながら、PCの前で必死に目を開けようとしていました。4月に簡単な入社研修を終え、設計能力を買われたジョンくんは、すぐにプロジェクトメンバーに抜擢されました。

 

しかし、プロジェクトの内容を理解し、会社のやり方も色々教えてもらったころ、10連休というゴールデンウィークがあり、行きたかった数々の日本の名所を訪れると、体がなかなか元に戻らないでいました。

 

「ジョンくん、眠い時はミスが起こりやすくなるから、ちょっと外に出て空気でも吸ってきたら?」

 

上司の斎藤さんに話しかけられ、ハッとしたジョンくんは苦笑いをしながら外に出ました。外に出ると、会社でジョンくんの世話役を任命された同期の田中君がタバコを吸っていました。

 

「あ、田中さん、一休み中?」

 

「あ、ジョンじゃん、うん、ちょっと休み明けで頭がボーっとして。。」

 

田中君は、ジョンくんと同期ですが、既に結婚して妻子持ちのため、この1か月で頼れるお兄さんのような存在となっていました。

 

「日本人って働きすぎだって聞いたことあるけど、あんまり働いてないね」

 

「えーーー、何言ってんだよ。残業とか休日出勤がすごくあるだろ」

 

「あれは、必要なワークではないような気がするよ」

 

「さすがジョン、直球だね~。でも日本人は色々考えて心地よい時間を作ろうと努力してるんだよ」

 

「(?サッパリワカラナイケド イロイロってナニ?)」

 

「あ、そういえば、今日空いてる?俺の先輩がやってる居酒屋で同期のミキちゃんと飲もうって言ってるんだけど、ジョンも来ない?」

 

「ミキちゃん!行きます!」

 

ジョンくんは、入社式の時に顔を合わせた同期の一人ミキちゃんのことがすごく気になっていました。田中君、グッジョブ。ジョンくんは心の中でつぶやきました。

 

退勤後、ジョンくんは田中君と待ち合わせて、田中君の先輩がいる居酒屋ジプトへ向かいました。

 

「いらっしゃいませー!」

 

威勢の良い店員さんに迎えられ、ワクワクしながら奥へ進むと、ミキちゃんが先に到着していました。

 

「あ、ジョンくん!こんにちは。わー、楽しくなりそう」

 

ジョンくんは緊張を隠すため、店の中を見回しました。

 

「あれ?ここは和食の居酒屋なのに、店員さんが外国人ばっかりだ」

 

「そうなんだよ。もう彼らがいないと店は回らないね」

 

田中君の先輩大島さんがジョンくんたちのテーブルにおしぼりを持ってきました。

 

「何か居酒屋で働くの楽しそうだな。僕もバイトできますか?」

 

「いやいや、君は田中と同じ会社でフルタイム働いてるんだろ?それは無理だな。飲食店のウェイトレスは単純労働と見なされてるから、留学の在留資格や日本人の家族(*1)っていう在留資格を持ってないと、バイトできないんだよ。しかも、留学生にいたっては週28時間以内(*2)までしかシフトが入れられないから本当に頭痛のタネだよ。」

 

「そうなんだ、大変なんですねー。。」

 

「ジョンくんって好奇心旺盛なのね。そういうのってすごくいいよね」

 

「え!そうかな。新しいことに挑戦することは楽しくない?」

 

「俺は挑戦とかいいや。何かもう疲れちゃった」

 

田中君は残業と育児に疲れ、遠い目をしていました。

(来月へ続く)

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*1:「日本人の配偶者等」という資格で、その名の通り日本人の配偶者か子供である外国籍の方が取得できる在留資格です。要件は厳しくありませんが、偽装結婚等があるため、審査は厳しく行われます。

*2:週28時間以内というのは、どの曜日を起算日としても28時間以内となっていることが求められます。ですので、日曜始まりだからと勝手に試算していると、水曜からその週の木曜までを計算すると40時間になっている、ということもよく聞く話ですので、ご注意ください。28時間を超えると法定時間超となり違法となります。ただし、留学生が通う学校の規則で定められている夏季休暇・冬期休暇など長期休業期間内は1日8時間までアルバイトをすることが可能となります。

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