日系4世ための「特定活動」ビザ

行政書士法人IMSの川上です。

 

突然ですが、自分の高祖父母(ひいひいお爺さん・ひいひいお婆さん)が

どんな人だったかを知っていますか?

名前や生い立ち、エピソード等…。

私は寂しいですが何ひとつ知りません…。

私の場合、高祖父母はおそらく明治時代生まれだと思いますが、

祖母や祖父と先代についての話をしたとはなく、祖父母も既に他界しているため

知る術がありません。

高祖父母は自分から数えて4代前のご先祖様です。

自分も親になり年を重ね、自分のルーツやご先祖様について知りたくなってきました。

 

明治時代、人口増に伴う余剰労働力と外貨獲得等の目的で

日本政府によって移民政策が推進されました。

この推進事業により多くの日本人が海外へ移住し、時代と共に移住先で代が替わり、

その子孫たちは現地の国籍を持ち生活をしています。

 

法務省はこのように祖先が日本人であり、昔移民として海外に渡った

日本人の子孫たちのための在留資格を設けています。

そして、各日系人の身分事項によって該当する在留資格は異なります。

 

① 「日本人の配偶者等」の在留資格に該当する日系人

日系1世(日本国籍を離脱した元日本人)

日系2世(日本国籍を有する日系1世の実子)

日系2世(日系1世の親が日本国籍を離脱する前に出生した実子)

② 「定住者」の在留資格に該当する日系人

日系2世(日系1世の親が日本国籍を離脱した後に出生した実子)

日系3世(日系2世の実子)

日系4世(日系3世の扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子)

 

しかし、時代が移り変わり、2世3世は高齢化し、

「定住者」の要件を満たす4世の絶対数も減少しています。

そのため、法務省は昨年3月に日系四世の更なる受入れ制度のための

特定活動ビザに関する告示をしました。

これは本国で犯罪歴がないことや一定の日本語能力を持っていること、

滞在費帰国日が確保されていること、健康であること等の要件を満たす

18歳以上30歳以下の日系四世に対象とするもので、

該当する在留資格は「特定活動」となります。

 

この「特定活動」では日本語を含む日本の文化及び日本国における

一般的な生活様式を理解するための活動が認められ、

これらの活動を行うために必要な資金を補うために必要な範囲内の就労も可能です。

ただし、対象者は日系4世当事者のみで、家族の帯同はできません。

そしてこの「特定活動」で日本にいられるのは最大5年です。

 

個人的にはこんな条件で日本に行ってみよう!と思う日系4世は居ないんじゃないかと思います。

労働力過剰のために海外へ人を送る政策をした日本が、今度は労働力不足になって、

かつての移民たちの子孫の労働力に頼っているように思えてなりません。

日本で働いてほしいけど、来日するなら一人で、しかも居付いてはだめ、

と言っているようなものです。

果たして祖先の母国に温かく迎えられていると思うでしょうか?

 

そして、私のように自分の4代前の世代について何も知らない人も多いかもしれません。

4代前が日本人であったことで、それならば母国での生活をなげうっても

一人で日本へ行ってみよう!と考える人がどれくらいいるのかも疑問です。

政府は年間4000人の来日者を見込んでいたそうですが、

告示から半年経った昨年10月までに発給された「特定活動」ビザはわずか2件だったそうです。

 

高齢化と人口減少で、今後益々外国人の労働力に頼らなければならない事実はありますが、

解決しなければならない課題が多いことを深く考えさせられます。

 

日本ビザ申請、IMSの特徴および「唯一性」

https://attorney-office.com/uniqueness.html

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