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2023.10.31その他
在留資格がなくても合法的に日本で暮らしている外国人とは?
日本に滞在している外国人の方は、すべて在留資格・ビザを持っていると思いがちですが、実は、在留資格がなくても合法的に入国・滞在している方が一定数存在します。それは、日本に駐留する米軍関係者の方々です。この方たちは、在留の根拠法令が入管法や入管特例法ではなく、日米地位協定(Status of Forces Agreement)略してSOFA(ソーファ)が適用されるので、SOFA適用者と呼ばれています。今回は、SOFA適用者について、理解を深めておきたいと思います。
SOFA適用者には3つの区分がありますが、それぞれ以下の通りです。
(a) 「合衆国軍隊の構成員」
日本国の領域にある間におけるアメリカ合衆国の軍隊に所属する現役の軍人
(b) 「軍属」
合衆国の国籍を有する文民で日本国にある合衆国軍隊に雇用され、これに勤務し又はこれに随伴するもの。教育や行政分野の公務員や軍に雇用されている民間人、および軍と契約している民間会社に雇用されている民間人も含まれます。
(c) 合衆国軍隊の構成員・軍属の「家族」(扶養家族)
(1) 配偶者及び21才未満の子
(2) 父、母及び21才以上の子で、その生計費の半額以上を合衆国軍隊の構成員又は軍 属に依存するもの
日米地位協定の第九条(2項)には、以下の規定があります。
2 合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される。合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外される。ただし、日本国の領域における永久的な居所又は住所を要求する権利を取得するものとみなされない。
日米地位協定は、正式には「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」といいます。1960年に日米安全保障条約が結ばれたときに国会で承認された協定で、法律よりも強い効力を持っています。
とは言え、SOFA適用者には日本の法律が全く適用されない訳ではなく、公務執行中でない米軍人等、また、それらに家族については、特定の分野の国内法令の適用を除外するとの日米地位協定上の規定等がある場合を除き、日本の法令が適用されます。
公務において米軍人が日本への出入国を行う時にパスポートは不要ですが、米軍の身分証明書と旅行命令書を携帯しなければならず、要請があるときは日本の当局に提示しなければならないと規定されています。一方、軍属及び家族が日本に入国するためには、パスポートが必要です。また、SOFAに基づいて入国した方には日本国政府から「在留カード」は交付されませんが、米軍からIDカードが発行されますので、これが日本滞在中の身分証明書になります。
SOFAと日本の在留資格との関係については、弊社にも時々お問い合わせを頂くことがあります。
例えば、米軍関係者の家族である外国人の方が大学に入学するに当たり「留学」の在留資格を取得しなくても良いのか、というご質問がありますが、これについては、「SOFA適用者の方であれば、入管法は適用されませんので、在留資格の取得は必要ありません」という回答になります。
また、「留学」の在留資格を持っている学生が米軍関係者の方と結婚してSOFA適用者になる場合、どのような手続きが必要か、といったものがあります。この場合も、入管法は適用されませんので、特に手続きを行わなくても問題ありません。何もしなければ、現在の在留資格は在留期限を過ぎたところで失効しますが、引き続き日本で学生を続けることができます。一方、在留資格が不要となった場合は、管轄の入管にて「在留資格抹消」の手続きを行うことも可能です。
なお、在留資格を持たないSOFA適用者の方が、退役、退職、離婚、独立などで米軍関係を離れて引き続き日本に滞在する場合は、一般の外国人の方と同様に入管法の適用を受けることになります。その場合は、米軍関係離脱の事由が発生した日から30日以内に、「在留資格取得申請」を行う必要があります。(60日以内に出国する場合はこの申請は不要)
(S.I)
参考:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)及び関連情報|外務省 (mofa.go.jp)
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