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薬物問題の現状とアメリカ渡航への警鐘

日本では若年層の間で市販薬の大量摂取、いわゆるオーバードーズ(OD)が社会問題になっていたり、イベント会場などで大麻グミを食べた人が集団で体調不良となったニュースなど、薬物に関する問題は後を立ちません。今回は日本で増加傾向にある大麻、アメリカにおける規制薬物の今について、そして規制薬物に関わった場合のアメリカ渡航やアメリカビザ取得の可能性についてご案内いたします。

【大麻グミは違法?合法?】
大麻グミとは、「危険ドラッグ」に相当する、大麻と非常に良く似た合成薬物である「HHCH」を含んでいるとされる食品のことで、口にすると一気に酔ったような感覚になり、その後意識が朦朧としたり意識を失う、嘔吐など、非常に危険なものです。日本では、厚生労働省により2023年11月22日に「HHCH」を「指定薬物」に指定し、同年12月2日から、この物質およびこの物質を含む製品について、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等を禁止しました。

【身近な存在となってしまった大麻】
日本では大麻による検挙者数は増加傾向にあり、2014年は1,800人ほどだったのに対し、2020年以降は毎年5,000人を超え、2023年は6,000人以上となっています。ではなぜ、これほど急増しているのでしょうか。

・大麻が合法化されている国々からの影響
アメリカ、カナダ、欧州の一部の国では大麻が合法化されており、医療用だけでなく、娯楽用(嗜好用)としても販売されています。それらの国を訪れた日本からの観光客や留学生が現地で大麻を体験し、「日本でも大丈夫だろう」と安易に考える人が増加しているようです。

・調達のしやすさ
匿名性が高いアプリを使った取引や、SNSを通して海外の密輸業者との接触がしやすくなっているため、国際郵便などを利用して個人が密輸を図るケースが多発しているようですが、最近は税関での取り締まりが強化され摘発が増えています。

【アメリカで今、問題となっている薬物とは】

アメリカではある薬物の乱用が問題となっています。それはフェンタニルと呼ばれる薬物で、強力な鎮痛薬のひとつです。モルヒネの50倍以上の強さで体内での吸収スピードが非常に早く、通常は医療用としてがん患者の痛み軽減や麻酔の補助に使用されています。しかし近年、フェンタニルはアメリカ近隣国の密造工場で違法に製造されており、粉末、錠剤、キャンディなどに加工され、流通しています。致死量はたった2ミリグラムで、アメリカでは2022年に薬物の過剰摂取が原因で死亡した人の約70%はフェンタニルが原因という恐ろしい状況です。入国審査などを含む国境警備を管轄するCBPでも、このフェンタニルに関する取り締まりを強化しており、最近は毎月のように関連ニュースがCBPウェブサイトで掲載されています。

【規制薬物法(Controlled Substances Act)】
アメリカ連邦法の一つで、規制薬物をスケジュールIからVまでの5つのカテゴリに分類しており、これらの分類は、薬物の乱用可能性や医療用途の有無に応じてわけられています。
スケジュールⅠに分類される薬物は、ヘロイン、LSD、MDMA、大麻、覚醒剤などが代表例であり、医療的な用途が認められず、乱用のリスクが極めて高いとされる薬物です。
スケジュールⅡに分類される薬物は、先述のフェンタニル、モルヒネ(鎮痛薬)、アンフェタミン(ADHDの治療薬)が代表例であり、医療的価値はあるものの、依存するリスクが高いため、医療的な使用の場合のみ合法とされる薬物です。

【薬物での前科がある場合のアメリカ渡航について】
アメリカ渡航に際し、薬物に関する前科がある場合はESTAではなくビザの申請・取得が必要となります。上述の通り、アメリカでは規制薬物に対して取り締まりを強化しており、またアメリカの移民国籍法により、規制薬物に関連する法律や規則の違反歴がある外国人は、入国資格がない(inadmissible)と明記されています。つまりアメリカビザ申請をした場合、ビザが許可されない、あるいは非常に厳しい申請となります。また薬物に関連する犯罪行為には製造、輸送、販売、譲渡、所持、使用などがありますが、中でも製造や販売、譲渡に関わった場合はより難易度が上がる傾向にあります。
それではアメリカビザ取得の見込みは全くないのか?最も気になるポイントですが、答えとしてはアメリカビザを取得できているケースは多数あります。しかし使用した薬物、事件の内容、処分にもよるため、残念ながらほとんど見込みがないケースもあります。
また、時々「大麻で逮捕歴があるが、アメリカでは大麻は合法だからあまり問題ないのでは?」というご質問があります。たしかに、アメリカの一部の州では大麻使用が合法化されている州もあります。しかし、ビザ申請や入国審査においては、州法ではなく連邦法が基準となります。
たとえ州法で大麻の所持や使用が合法であっても、連邦法の観点では「規制物質の違反」と見なされますのでご注意ください。
薬物に関する前科といってもいろいろなパターンがあり、またどのように更生したのか?もポイントとなるため、アメリカ渡航を諦める前に一度ご相談ください。

本ブログは現時点での情報であり、最新情報についてはお客様の責任において、政府公式サイト等でご確認ください。
(MM) 

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