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SNS上の発言に要注意!アメリカビザ申請との意外なつながり

「厳罰化と法改正 アメリカビザ申請への影響は?」にて、迷惑防止条例などに分類される罪名のいくつかが厳罰化されたことなどについてご案内しましたが、今日は手軽に気持ちや思いを発信できるSNSや掲示板の普及に関連して厳罰化した侮辱罪、侮辱罪と名誉毀損罪の違い、アメリカビザ申請における影響について、ご案内いたします。ちょっとした情報収集や、コミュニケーションのツールとしても大変便利なSNSや掲示板、そして口コミサイトですが、時々このようなお問い合わせがあります。
「とある人物の言動が許せず、ついSNSで言いすぎてしまい、逮捕された」
「口コミサイトで軽い気持ちでとあるお店について批判したら取り調べを受けた」
など、アメリカに行きたいけれど、このような場合に自分はESTAは不適格なのか、ビザは取れるだろうか?といったご相談です。誰でも手軽にインターネットにアクセスができ、利便性が高くなった一方で自由に発言が出来る手軽さからある一言で誰かを傷つけてしまい、結果として取り調べを受けたり逮捕にまでつながるケースが増加しています。このような場合は、どのような罪に問われてしまう可能性があるのでしょうか。

【侮辱罪の厳罰化】
侮辱罪は1907年に法定刑が定められ、刑法の中では軽い罪でした。侮辱罪の場合は「拘留又は科料」で、「1日以上30日未満の期間内、身柄が拘束されて自由を奪われる刑が拘留、1,000円以上1万円未満で強制的に金銭を徴収される刑が科料でした。この侮辱罪で処罰されても、9,000円ほどの科料を課せられるケースがほとんどでした。
しかし、近年酷い書き込みなどを苦に命を断つケースが増加した背景もあり、2022(令和4)年6月13日に改正刑法が成立し、同年7月7日に施行され、侮辱罪は厳罰化されました。侮辱罪は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料を課せられます。侮辱罪は、「事実を摘示せずに、公然と人を侮辱する」ことによって成立するため、例としてインターネット上の掲示板やSNSなどだれでも閲覧できる場で、人の社会的評価を低下させるような指摘や言動をすることが当てはまります。

【侮辱罪と名誉毀損罪の違い?】
よく似ていて、その違いがわかりにくいですが、違いは「事実の摘示の有無」です。侮辱罪は刑法第231条により「事実を摘示せずに、公然と人を侮辱する」行為により成立しますが、名誉毀損罪は刑法230条により「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損する」行為により成立します。事実の摘示とは、個人を特定するような内容があるか?ということです。具体的には真偽にかかわらず、「〇〇さんは不倫をしている」などが事実の摘示があると見なされ、一方で「◯◯くんはバカだ」は事実の摘示はないとされます。この違いから名誉毀損罪は侮辱罪よりも権利侵害の程度がより大きいとされ、刑罰も重く、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金という処分になります。

【アメリカのCIMT(不道徳な犯罪)に該当するのか?】
CIMT(Crime Involving Moral Turpitude)については弊社過去のブログで詳しくご案内しておりますが、簡単に言うと道徳的に非難される行為や社会の倫理基準を著しく逸脱した犯罪行為を指します。米国ビザ申請時に、過去に犯した罪がCIMTと判断されるとビザの取得は残念ながら相当に難しくなり、許可を得られない場合がほとんどです。それでは、侮辱罪や名誉毀損罪はCIMTに該当するのでしょうか。答えとしては直ちに該当する、と判断されるわけではないようです。しかし、犯した行為の意図、重大さ等から「不誠実さ」や「悪意」を伴うかどうか?で判断されるため、場合によってはCIMTと見なされる可能性があります。

【アメリカビザ申請ではSNSアカウント情報の開示が必須】
アメリカ非移民ビザを申請する際のDS160オンライン申請ではかなり細かく質問事項を設けられていますが、その質問の中に自身のアカウントがあるSNS名とそのユーザー名を答える欄があり、ビザ申請者は保有するアカウントについては全て申告する必要があります。申告したからと言ってわざわざ全てを確認しているわけではないと思いますが、審査上何か疑義が生じた場合にはあらゆる情報源から真偽を確認していると考えられます。

このようなことから、SNS上の発言は意外なところで影響を与えかねません。弊社では、アメリカビザを取得出来るかご不安な方に対してコンサルティングを随時ご提供しております。コロナ禍を経て以前のように海外、とりわけアメリカへ渡航希望の方が増加傾向にあり、その目的は旅行、出張、駐在、留学など様々ですが、1人でも多くの方が渡米出来るようサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。

本ブログは現時点での情報であり、最新情報についてはお客様の責任において、政府公式サイト等でご確認ください。
(MM) 

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