IMSブログ | 日本・アメリカビザ申請代行【行政書士法人IMS】

今回の記事は、外国人による起業活動を促進するための特別な在留資格についてご紹介いたします。経済産業省が推進している外国人起業活動促進事業や制度が狭義の「スタートアップビザ」とスタートアップ関連の在留資格についてまとめてみましたので、説明していきたいと思います。

「経営・管理」の在留資格の「スタートアップ（企業）」とは？

外国人が日本で事業を運営するためには、通常、「経営・管理」の在留資格が必要ですが、外国人が日本で新規事業を立ち上げようとするとき、「経営・管理」の在留資格で求められる事業の規模は、500万円以上の出資、または2人以上の常勤職員や事業所の確保はハードルと言えます。革新的なビジネスモデルで急成長を図る組織は「スタートアップ（企業）」と呼ばれ、経済・産業の拡大に貢献することが期待されますが、そういったビジネスや起業家を海外からも呼び込むために、創業時に限りビザ取得の要件を緩和する施策が各国で行われています。日本では、時系列で見てみると、内閣府の事業と経済産業省の事業が別々にスタートしており、分かりにくさは否めませんが、合わせ技も含めて最長2年間の特例が認められ、外国人起業家の受け入れ拡大の方向に動いて来てはいます。

「経営・管理」に関する法令改正のあゆみ

2013年　国家戦略特別区域法成立。

2015年　国家戦略特別区域　外国人創業活動促進事業が内閣府令によりスタート。

2018年　経済産業省が外国人起業活動促進事業、日本版スタートアップビザ告示。

2020年　国家戦略特別区域　外国人創業活動促進事業の規制緩和。

2022年　国家戦略特別区域　外国人創業活動促進事業の更なる規制緩和。

日本の大学を卒業した留学生による起業をサポートするための措置

そして、2023年10月2日より、スタートアップビザの確認手続きが民間事業者でも可能となりました。日本の大学を卒業した留学生による起業をサポートするための措置としては、2020年に「留学」から特例を活用した「経営・管理」への変更が可能になっていますが、その際に、「優秀な留学生の受入れに意欲的に取り組んでいる大学等」を卒業して起業活動を行うことを希望する方については、一定の要件を満たせば、最長２年間在留資格「特定活動」の告示外が認められるようになりました。「優秀な留学生の受入れに意欲的に取り組んでいる大学等」とは、文部科学省の実施する「留学生就職促進プログラム」の採択校若しくは参画校又は「スーパーグローバル大学創成支援事業」の採択校となります。また、日本の大学を卒業して直ぐに内閣府の制度や経済産業省のスタートアップビザを利用していた方が、その利用後にこちらの「特定活動」の告示外に変更することも可能となっており、それまでの期間と併せて最長2年間の在留期間が認められます。

未来創造人材制度（J-Find）

そして、2023年4月に導入された未来創造人材制度（J-Find）も、スタートアップビザの一面があります。こちらは、優秀な海外大学等を卒業した方が、日本で「就職活動」又は「起業準備活動」を行う場合、在留資格「特定活動」（未来創造人材・51号告示）が付与され最長２年間の在留が可能となる制度です。なお、「優秀な海外の大学等」のリストに含まれている日本の大学は、現在は東京大学と京都大学のみですが、概要欄のリンク先のリストにある優秀な海外の大学や大学院等を卒業してから5年以内という要件を満たせば、その他の要件はかなりハードルが低くなっています。それではこのような制度で、魅力度ランキングの挽回になるのでしょうか。

日本の課題

世界の起業志望者から見て、経済協力開発機構（OECD）による魅力度評価で日本は24ヶ国中21位だそうです。少子高齢化による人口減少や産業の衰退が懸念される中、技術革新や経済活動に活力を与えてくれる優れた外国人起業家にとって魅力的な国になることは、日本にとって喫緊の課題になっています。スタートアップビザの更なる制度改革や活用促進に注目していきたいと思います。

今回の記事は以上となりますが、弊社は日本、アメリカ、ベトナムビザのエキスパートです。もしビザ関係でお困りの方がいらっしゃいましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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