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Staff Blog
2026.08.27アメリカビザ
エンジニアの米国派遣|入国拒否リスクとB-1ビザの要件【2026年版】
日本企業がエンジニアをアメリカへ短期間派遣する際、「90日以内だからESTAで問題ない」「アメリカから報酬を受け取らないので就労には当たらない」と判断していないでしょうか。
最近、行政書士法人IMSには、アメリカへ派遣されるエンジニアの入国審査や、ESTAで認められる活動範囲について、企業からのご相談が増えています。
アメリカで機械の設置、保守、修理、立ち上げ支援、技術指導などを予定している場合、短期間の派遣であっても、活動内容によっては入国審査で就労を疑われる可能性があります。
この記事の結論
本記事では、米国国務省が公表しているB-1ビザのFact Sheetと、領事がビザ審査で参照する9 FAMをもとに、エンジニア派遣で利用できる可能性があるB-1ビザについて解説します。
エンジニアの派遣では、商談や会議への出席だけでなく、工場や取引先の現場で次のような活動が予定されることがあります。
こうした活動は、「会議」「視察」「商談」とは異なり、現場での労働や技術サービスに見える場合があります。
実際の活動内容を十分に説明できなければ、ESTAまたはB-1ビザで認められる商用活動ではなく、アメリカ国内での無許可就労を予定しているのではないかと疑われる可能性があります。
「派遣期間が短い」「給与を日本企業が支払う」という事情だけで、ESTAやB-1ビザの利用が認められるわけではありません。
米国国務省の「FACT SHEET: U.S. Business Visas (B-1) and Allowable Uses」では、ESTAによる入国で認められる活動は、B-1ステータスで認められる活動と同じであると説明されています。
一般的にB-1またはESTAで認められる可能性がある商用活動には、次のようなものがあります。
一方、米国国務省は、B-1ビザによる商用活動は、熟練・非熟練を問わず、アメリカ国内で労働を提供する活動とは異なると明記しています。
現地企業の通常業務を担当する場合や、アメリカ国内の労働市場に参加するような活動を行う場合は、B-1ではなく、就労を認める別のビザが必要になる可能性があります。
ESTAとB-1ビザで認められる活動範囲自体は、原則として同じです。
それでもIMSでは、アメリカの工場や取引先で技術的な作業、機械の設置・保守・修理、トレーニングなどを予定しているエンジニアについて、条件を確認したうえでB-1ビザの取得を検討するようおすすめしています。
主な理由は、B-1ビザ申請では、渡米前に次のような事情を整理し、領事へ説明する機会があるためです。
また、一定の要件を満たす場合には、エンジニアの活動内容に対応したAnnotationがB-1ビザに付されることがあります。
ただし、B-1ビザやAnnotationは、アメリカへの入国を保証するものではありません。最終的な入国可否は、到着時にCBP(米国税関・国境警備局)の審査官が判断します。
エンジニア派遣に関連して重要なのが、次の2つです。
似た部分がありますが、対象となる活動と確認される要件は同一ではありません。
| 比較項目 | Commercial or Industrial Worker | Specialized Trainer |
|---|---|---|
| 主な活動 | 商業用・産業用設備や機械の設置、保守、修理、またはそのサービスに関するトレーニング | 米国人労働者への専門技術・技能・ノウハウのトレーニングまたは知識移転 |
| 設備等の条件 | 米国外の会社から購入された設備または機械 | 米国外の会社から取得・調達された設備、機械、工程に必要な技術等 |
| 契約上の条件 | 売買契約に、売主が設置・保守・修理・トレーニングを提供することが明記されている必要があります。 | 適格なプロジェクトを支援するトレーニングまたは知識移転であることが求められます。 |
| 派遣者の知識 | 売主の契約上の義務を履行するために不可欠な独自の知識 | 米国内で広く得られない独自の知識 |
| 米国源泉の報酬 | 受領不可 | 受領不可 |
| 建設作業 | 実際の建築・建設作業は対象外。監督またはトレーニングのみであれば対象となる可能性があります。 | 実際の作業内容を個別に確認する必要があります。 |
| 「B-1 SPECIALIZED TRAINER」と付記されます。 |
※上記は米国国務省の公表情報に基づく一般的な比較です。B-1ビザへの該当性は、契約内容や実際の活動によって個別に審査されます。
Commercial or Industrial Workerは、米国外の企業から購入された商業用または産業用の設備・機械について、一定のサービスを提供するためにアメリカへ渡航するエンジニアなどを対象とするB-1の枠組みです。
対象となる可能性がある活動は、次のとおりです。
ただし、単に海外製の機械に関する作業であれば認められるわけではありません。
建築・建設作業については、現場で実際に作業を行う場合は対象外です。ただし、作業員の監督やトレーニングのみを行う場合には、B-1の対象となる可能性があります。
9 FAM 402.2-5(E)(2)には、エンジニア派遣に関係する枠組みとして、Specialized Trainersが規定されています。
Specialized Trainerは、一定のプロジェクトを支援するため、一時的にアメリカへ渡航し、米国人労働者にトレーニングを行う、または専門的な知識を移転する人を対象とします。
対象となる設備、機械、工程は、米国外の会社から取得または調達されたものであり、トレーニングは適格なプロジェクトを支援する目的で行われる必要があります。
Specialized Trainerとして発給されるB-1ビザには、次のAnnotationが付されます。
B-1 SPECIALIZED TRAINER
このAnnotationは、領事がSpecialized TrainerとしてB-1ビザを発給したことを示します。
ただし、Annotationがあっても入国が自動的に許可されるわけではありません。到着時には、CBPの審査官に対し、ビザ申請時と一貫した渡航目的を説明できるようにしておく必要があります。
Specialized Trainerは、一般的な就労を認めるビザではありません。
認められる可能性があるのは、米国人労働者に専門技術やノウハウを教えるためのトレーニング、または知識移転です。
次のような活動は、Specialized Trainerとしての説明と矛盾する可能性があります。
職種名が「エンジニア」「トレーナー」であることよりも、アメリカで実際に何をするのかが重要です。
Commercial or Industrial Worker、Specialized Trainerのいずれについても、アメリカの企業などから給与やサービスの対価を受け取らないことが重要な要件です。
一方、米国国務省のFact Sheetでは、一時滞在に付随する合理的な範囲の費用について、米国側から支給・精算を受けることが認められる場合があると説明されています。
例として、次のような費用が挙げられます。
ただし、「経費」という名目であっても、実質的に労務の対価となっている場合は問題になる可能性があります。
次の質問に、企業として明確に回答できるか確認してください。
ひとつでも回答が曖昧な場合は、ESTAやB-1ビザの利用を決定する前に、活動内容と契約書を確認することをおすすめします。
エンジニアの米国派遣を予定している企業様へ
IMSでは、職種名だけで判断せず、契約書、派遣期間、現地での具体的な活動、給与・費用の負担関係、派遣者の専門知識を確認したうえで、B-1ビザ申請の準備をサポートしています。
次のような派遣では、ESTAでの渡航を決定する前に、B-1ビザの対象となる可能性を確認することをおすすめします。
工具や作業着を持っていることだけで入国拒否になるわけではありません。
しかし、所持品と申告した渡航目的が一致しない場合は、現地で無許可就労を行うのではないかと疑われる可能性があります。
B-1ビザを取得している場合でも、アメリカ到着時の入国審査に備え、渡航目的を説明できる資料を準備することが重要です。
案件に応じて、次のような資料が考えられます。
すべての案件で同じ資料が必要になるわけではありません。派遣者の活動とB-1の要件を結び付けられる資料を選ぶことが重要です。
A.派遣期間だけでは判断できません。
90日以内であっても、アメリカで行う活動がESTAまたはB-1で認められる範囲を超えていれば、適切な渡航方法とはいえません。
A.給与の支払元だけで判断することはできません。
日本企業が給与を支払うことは重要な事情ですが、アメリカで実際に行う活動の内容も確認されます。
A.米国国務省は、ESTAで認められる活動は、B-1ステータスで想定される活動と同じであると説明しています。
B-1ビザを取得したからといって、通常の就労が認められるわけではありません。
工場や現場で技術的な活動を行うエンジニアの場合、渡米前に契約内容、活動内容、専門知識などを整理し、B-1ビザ申請で領事の審査を受けることを検討できるためです。
一定の要件を満たす場合は、活動内容に対応したAnnotationが付されることもあります。
A.B-1ビザは入国を保証するものではありません。
最終的な入国可否はCBPが判断します。ビザ申請時と異なる活動を説明した場合や、現地で認められない作業を予定していると判断された場合は、入国審査で問題になる可能性があります。
米国国務省のガイダンスでは、売買契約に、売主が設置、保守、修理またはトレーニングを提供することが明記されている必要があります。
契約書に該当する記載がない場合は、Commercial or Industrial Workerの要件を満たすか慎重な確認が必要です。
Specialized Trainerは、トレーニングまたは知識移転を目的とする枠組みです。
実際の機械操作がトレーニングの一部なのか、派遣者自身による生産・作業なのかによって評価が異なる可能性があります。具体的な作業内容の確認が必要です。
人数だけでB-1ビザの対象外になるとは限りません。
ただし、各派遣者がなぜ必要なのか、どのような独自の知識を持っているのか、それぞれの担当業務を説明できるようにする必要があります。
エンジニアのB-1ビザ申請では、「エンジニアだから対象になる」という説明だけでは十分ではありません。
行政書士法人IMSでは、次の事項を確認し、企業のエンジニア派遣に対応したB-1ビザ申請をサポートしています。
エンジニアの派遣が決まった後では、契約書や作業内容の整理に時間がかかる場合があります。
渡航直前ではなく、派遣計画の段階からご相談ください。
※B-1ビザの発給は米国大使館・領事館の領事、アメリカへの入国可否はCBPが判断します。弊社によるビザ発給または入国許可を保証するものではありません。
最終更新日:2026年8月
執筆・監修:行政書士法人IMS 米国ビザ担当
本記事は2026年8月時点の米国政府公式情報をもとに、一般的な情報を提供するものです。個別案件への適用やビザ発給・入国許可を保証するものではありません。
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