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Staff Blog
2026.09.24アメリカビザ
ESTAで入国拒否→B-1 in lieu of H-1Bを申請|技術者の米国派遣事例

日本企業がアメリカへエンジニアを派遣する際、
「短期間の出張だからESTAで大丈夫だろう」
と考えることがあります。
しかし、技術者・エンジニアの米国出張では、
現地で何をするのかによって、
入国審査で活動内容について詳しく確認されることがあります。
行政書士法人IMSが実際に取り扱った案件の中には、
日本企業の専門技術者がESTAで渡米したものの、
米国での役割が十分に伝わらず入国を認められなかった後、
B-1 in lieu of H-1Bとしてあらためてビザ申請を行ったケース
があります。
今回は、この事例をもとに、
エンジニア派遣において
「監督」と「実作業」をどのように整理したのか
をご紹介します。
※本記事は、行政書士法人IMSが実際に取り扱った案件をもとにしています。
お客様および企業のプライバシー保護のため、
氏名、企業名、製品名、渡航先、時期、設備の詳細その他の情報を
変更・一般化しています。
ご相談いただいたのは、
日本企業に長年勤務する専門技術者のアメリカ派遣案件でした。
ご本人は、特殊な産業設備について豊富な経験を持つ
シニアエンジニアでした。
米国側では、設備について一定のメンテナンス作業が予定されており、
その工程を適切に進めるため、
日本から専門知識を持つ技術者を派遣する必要がありました。
プロジェクトを急ぐ事情もあり、
当初、会社はご本人をESTA(Visa Waiver Program)で
アメリカへ派遣しました。
しかし、アメリカ到着後の入国審査で、
ご本人は入国を認められませんでした。
当時の申請資料では、
会社側は、入国審査で通訳を介したコミュニケーションの中で、
製造業特有の業務内容やご本人の役割が
十分に伝わらなかった可能性があると説明しています。
会社が予定していたご本人の役割は、
ご本人自身が設備のメンテナンス作業を行うことではありませんでした。
実際の作業を行うのは現地のエンジニアであり、
ご本人は専門知識を持つ技術者として、
その作業を監督・指導する立場でした。
「現地で機械に関わる」=「ご本人が実作業をする」ではありません。
技術者派遣では、
誰が実際の作業を行い、
日本から派遣されるエンジニアが何を監督・指導するのかを
明確にすることが非常に重要です。
入国拒否後、IMSでは、
単に「ESTAでは入国できなかったのでBビザを申請する」
という組み立てにはしませんでした。
まず、
ご本人がアメリカで実際に行う活動を一つずつ整理
しました。
そのうえで、この案件では
B-1 in lieu of H-1B
としてBビザを申請しました。
B-1 in lieu of Hは、
現行の米国国務省Foreign Affairs Manual(9 FAM)にも規定されている枠組みで、
一定の場合に、通常H-1またはH-3に分類され得る方について
B-1としての申請が検討されます。
ただし、
「短期間の専門職ならB-1 in lieu of H-1Bが使える」
という単純な制度ではありません。
雇用関係、給与・報酬の支払元、
ご本人の専門性、米国での活動内容、一時的な滞在であることなどを
個別に確認する必要があります。
まず明確にしたのが、
ご本人自身がメンテナンス作業をするわけではない
という点です。
設備の部品交換等の実際の作業は現地側で行い、
日本から派遣されるご本人は、
専門技術者として工程全体を監督する役割でした。
作業終了後の検査や設備が安全・適切に稼働しているかの確認も含め、
専門的な知識をもとにプロジェクトを監督することが
ご本人の役割でした。
次に重要なのが、
「なぜこの人でなければならないのか」
という説明です。
ご本人は対象となる設備について長年の経験があり、
専門的な知識を持つシニアエンジニアでした。
申請資料では、
対象設備のメンテナンスには高度な専門知識が必要であり、
ご本人の監督がプロジェクトに必要であることを説明しました。
IMSのポイント
単に「経験豊富なエンジニアです」とするのではなく、
今回の設備・今回の工程に、その経験がなぜ必要なのか
を結び付けて説明します。
B-1 in lieu of Hを検討する際には、
給与・報酬の支払関係も重要です。
今回の案件では、
ご本人は引き続き日本企業に所属し、
日本側との雇用関係を維持したまま一時的に渡米するという構造でした。
米国側から給与を受け取るために渡米するものではないことも
申請資料で整理しました。
「設備のメンテナンスのため」
という一文だけでは、
ご本人がアメリカで何をするのか十分に分かりません。
そこで、
といった内容を具体化しました。
実際の理由書では、
設備の部品交換、その後の品質検査・安全確認など、
予定されている工程まで説明しています。
今回のメンテナンスプロジェクトは、
長期的に米国で勤務するためのものではありませんでした。
一定期間の専門的な監督業務が終了すれば、
ご本人は日本へ戻り、
日本での勤務を継続する予定でした。
このように、
派遣目的と滞在期間との整合性
も重要な説明事項になります。
ここは特に注意していただきたい点です。
今回のケースでB-1 in lieu of H-1Bを申請したからといって、
ESTAで入国拒否
↓
B-1 in lieu of H-1Bを申請すればよい
という関係ではありません。
B-1 in lieu of H-1Bへの該当可能性は、
今回米国で予定する活動そのもの
によって判断する必要があります。
案件によっては、
通常のB-1、
Commercial or Industrial Worker、
Specialized Trainer、
あるいはH、Lその他の就労可能なカテゴリーを
検討する必要がある場合もあります。
米国国務省も、
B-1に明確に該当しない活動については、
より適切なビザカテゴリーを検討する必要があると案内しています。
このケースで重要なのは、
ご本人に専門性がなかったことでも、
会社が不法就労を予定していたことでもありません。
会社側の認識では、
「専門エンジニアによる監督」
として派遣していました。
しかし、入国審査では、
会社が頭の中で考えている業務内容ではなく、
審査官にどのような活動として伝わるか
も重要になります。
特に製造業では、
といった言葉が使われます。
しかし、それぞれの言葉だけを見ても、
ご本人が実際に何をするのかは分かりません。
そのため、
会社側と渡航者ご本人が、米国での活動内容について
同じ理解を持っていること
が非常に重要です。
| 確認事項 | 確認する内容 |
|---|---|
| 実際の作業者 | 誰が設備に触れて作業するのか |
| 派遣者の役割 | 監督、助言、検査、指導、実作業のどれなのか |
| 専門性 | なぜ日本からその人を派遣する必要があるのか |
| 給与・報酬 | 雇用主と給与の支払元はどこか |
| 派遣期間 | なぜその期間が必要なのか |
| 過去の米国渡航歴 | ESTA利用歴、入国拒否歴、過去の説明内容 |
一度アメリカへの入国を拒否された場合、
次回のビザ申請では今回の渡航目的だけを説明すればよいとは限りません。
IMSでは、
などを確認します。
重要なのは、
過去の入国拒否を隠すことではなく、
その経緯と今回の申請内容を一貫して説明すること
です。
2026年時点の米国国務省Foreign Affairs Manualでは、
9 FAM 402.2-5(F)「Applicants Normally Classifiable H-1 or H-3 (B in Lieu of H)」
が規定されています。
この枠組みで発給されるB-1ビザについては、
次のAnnotationが定められています。
ただし、
B-1 in lieu of Hは一般的な「短期就労ビザ」ではありません。
ご本人の専門性、外国企業との雇用関係、
給与の支払元、米国で行う活動内容などを確認したうえで、
個別に該当性を検討する必要があります。
行政書士法人IMSでは、
アメリカへ派遣されるエンジニア・技術者について、
通常のB-1だけでなく、
Commercial or Industrial Worker、
Specialized Trainer、B-1 in lieu of H
など、実際の活動内容に応じた申請を取り扱っています。
また今回のように、
過去にESTAで入国を認められなかった後のビザ申請
についても、過去の経緯から確認します。
ESTAでの技術者派遣、本当に大丈夫ですか?
「現地では監督だけの予定」
「設備のメンテナンスに立ち会う」
「日本の専門技術者を米国工場へ派遣したい」
「以前ESTAで入国拒否になった」
「B-1 in lieu of H-1Bに該当するか確認したい」
このような場合は、渡航前にご相談ください。
行政書士法人IMSが、
米国での具体的な活動、雇用・給与関係、専門性、
過去の渡航歴などを確認し、
個々の案件に応じた米国ビザ申請をサポートいたします。
エンジニア派遣のB-1ビザについては、
エンジニアの米国派遣とB-1ビザ
もあわせてご覧ください。
B-1 in lieu of Hについての制度・その他のIMS取扱事例については、
B-1 in lieu of H-1Bとは?IMSが実際に扱った技術者・ITコンサルタントの米国派遣事例
もご参照ください。
※本記事は2026年9月時点の米国政府公表情報および
行政書士法人IMSの過去の取扱案件をもとにした一般的な情報です。
B-1 in lieu of Hを含むビザカテゴリーへの該当性は個々の事実関係によって異なります。
ビザの発給可否は米国大使館・領事館、米国への最終的な入国可否はCBPが判断します。
本記事はビザ発給または入国を保証するものではありません。
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