強制退去処分取り消し訴訟の行方

こんにちは。行政書士法人IMSの岩渕です。
今月初旬に、日本で不法滞在していたタイ人の両親から出生し、強制退去処分を受けた甲府の高校2年生のウォン・ウティナン君(16)の訴訟がニュースになっていたのを皆さんは覚えていらっしゃいますか?
ウティナン君が国に強制退去処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決(東京高裁)で、結果はウティナン君の敗訴でした。
ウティナン君は日本で出生したものの、ずっと一緒に暮らしていた母親は不法滞在をしていたため、タイ人コミュニティーの中だけで育ち、12歳になって初めて支援団体の支えにより公立の学校に入学しました。
3年前に母親と入国管理局に出頭し、在留特別許可を求めましたが強制退去処分がなされ、処分を不服として提訴しました。
法務省の在留特別許可に関するガイドライン(http://www.moj.go.jp/content/000007321.pdf)によると、判断の積極的要素として「自ら入管に出頭した」ことや「日本に深く定着している」ことが含まれ、ウティナン君のケースで該当していたかが裁判で争点になったようです。
母親は、息子の訴訟への影響も考え、強制退去を受け入れてタイに帰国しました。
在留特別許可は、法務大臣が個々の外国人の特別な理由を考慮して在留を認めるもので、人道的な理由や他の特別な事情が必要とされています。
一方で、日本で生まれ育ちタイに一度も行ったことがないウティナン君が、今後タイで生活するのは難しいかもしれません。
彼が今後上告をするのか、どのような訴訟になるのか、行方を見守りたいと思っています。

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