属地主義と属人主義

こんにちは。行政書士法人IMSの岩渕です。
今回は国籍について触れたいと思います。

出生と国籍の関係について、皆さんがご存知の様に、どちらかの親の国籍が子に与えられる属人主義と、出生地の国籍を子が取得する属地(出生地)主義とがあります。
属人主義については、さらに二つに分かれ、原則として父親、母親両方の国籍から選べる「父母両系主義」と、父親の国籍だけを受け継ぐ「父系血統主義」に分かれます。
下記にそれぞれの国の分類をあげます。

父母両系主義が原則の国:日本、アイスランド、イタリア、インド、エチオピア、エルサルバドル、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、タイ、中国、デンマーク、トルコ、ノルウェー、フィンランド、ブルガリア、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スイス、ドイツ、韓国、シンガポール、オールトラリア

父系血統主義が原則の国:イラン、インドネシア、エジプト、クウェート、スーダン、モロッコ、

出生地主義が原則の国:アメリカ、カナダ、アイルランド、イギリス、ニュージーランド、メキシコ、フランス、アルゼンチン、ベネズエラ、ウルグアイ、エクアドル、グレナダ、ザンビア、タンザニア、パキスタン、パラグアイ、ブラジル、ペルー

このように、国によって出生による国籍の取得の方法が異なるため、国際結婚や海外移住の多い今日、二重国籍や無国籍の問題が生じています。
例えば、良く耳にするケースで、アメリカ人(属地主義)と日本人(属人主義)の両親からアメリカ国内で子供が生まれれば、子供は日米両国籍を取得し、22歳に達するまでに国籍を選択しなくてはなりません。

前回のブログで取り上げたウティナン君のケースでは、ウティナン君はタイ人の両親から日本国内で出生したため(両国とも属人主義)、タイ国籍でした。
日本で出生し日本で育ってきたものの、親が不法滞在者であったため、ウティナン君は合法な在留資格も持っていませんでした。
仮にウティナン君がアメリカ国内で出生していれば、母親は在留資格を得られなくても、ウティナン君はアメリカ国民となり、同様の問題は生じませんでした。

また、特別永住者の方々に関しては、日本で出生し両親家族も皆日本に居住し、全く日本人と変わらない生活をしていても、帰化をしない限りは韓国(属人主義)や朝鮮籍のままです。

国により法制度が異なるのは当然ですが、国際化の進む今日、国家間の取り決めなどにより国籍に関するこれらの問題が一層減少していくことを願っています。

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