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【YouTubeアップしました】法務大臣が技能実習制度の見直しを発表

本日は、

技能実習、関係省庁で見直し 法相「課題、決着を」という日本経済新聞を目にしたので取り上げていきます。

そもそも技能実習制度のどこに問題があるのか考察し、古川法務大臣の見解を見て行きましょう。
さて、技能実習制度の問題点については、何度もご紹介してきていますが、根本的に「実習生問題の核心は日本の産業構造そのものにある」と思います。

不況業種がこぞって実習生を雇用するのは人件費負担と人手不足に悩んでいるからであり、外国人ならば低賃金でも構わないのだと、経営者たちは開き直っているのが現状です。そこにはアジア人労働者に対する差別意識もあるだろうと思います。

一方、発注主の大企業は、末端の工場で誰がどんな働き方を強いられていようが気にも留めず、問題が起きれば、労働者ごと切り捨てればよいのだ、と考えているようです。
華やかなファッション業界も、最先端を謳う自動車、家電メーカーも、実直な「ものづくり」を連想させる建設業界や農林水産業も、いまや実習生をはじめとする外国人の労働力なくしては成り立たないのに、まるで初めからそれが存在していないかのように、とりすました表情を崩さない、残念な現状があります。

そして、私たち消費者は、実習生がつくった服を「さすが国産品は丈夫」だと喜んで身に着け、実習生がつくった野菜や果物を「国産は安全」だとして口の中に放り込んでいます。
こうした「外国人産の国産」が私たちの生活を支えているにもかかわらず、私たちは「つくり手」の顔も苦痛で歪んだ表情も想像することなく、今日という日常を生きています。

消費者の私達は、こうしたことを自覚するためにも、新聞記者は定期的に岐阜県内のシェルターを訪ね、実習生に実習職場の現状を聞くと同時に、実習生本人とも面談を重ねていいます。

この日(2022年3月)、シェルターには中国人、カンボジア人、ベトナム人など15名の外国人が保護されていたそうです。全員が技能実習制度で来日した実習生です。当然ながらそれぞれが「理由」を抱えて実習先企業から逃げてきた人々でもあります。

例えば中国江蘇省出身の女性(45)。1年ほど前まで大手ファッションブランドの下請け縫製工場で働いていました。時給は400円。地域最賃を大きく下回る違法な賃金です。
さらに運の悪いことに突然、会社が倒産してしまいました。未払い賃金の支払いを求めても「倒産して資力がない」ことを理由に拒まれています。本来であれば監理団体の斡旋で他企業への転職が可能となりますが、倒産から1年が経過しても彼女に新しい職場が提供されないままだそうです。

一部の監理団体は実習生からピンハネをして甘い汁を吸っていたのにも関わらず、薄情なものです。この方は仕方なくシェルターで生活しながら、監理団体との交渉を重ね、良い話を待つだけの毎日です。このように技能実習生の多くは、本国を出る際、現地送り出し機関に多額の費用を支払って、転職も認められない、本来の雇用主と労働者が対等の立場にありません。

そして、この度やっと技能実習制度を巡り、古川法相は29日の閣議後記者会見で関係省庁と見直しを議論する考えを示しました。制度は途上国の若者らに日本の技能・技術を学んでもらうことを理念としているが、人手不足を補う労働力として扱っている実態と乖離(かいり)があるとの意見が出ていると指摘。「長年の課題を歴史的決着に導きたい」と話されました。

古川法相は、2019年に創設され、人手不足が深刻な業種で就労している在留資格「特定技能」とともに問題点を把握するため、2月から11回にわたって学者やNPO関係者を呼んで勉強会を開いていたそうです。

勉強会での議論をもとに今後の論点を提示し、技能実習は、実習生の日本語能力が不十分で指導時などの意思疎通に困難が生じている、 原則、転籍ができないため不当な扱いを受けても相談・交渉などができない、といった指摘があると報告されました。

特定技能では、最長5年の「1号」を終えた人材が、家族帯同が認められ何度でも更新できる「2号」に円滑に移行できる環境整備などが課題との認識を示し、今後は「政策目的・制度趣旨と運用実態に乖離のない、整合性の分かりやすい仕組み」を検討するとし、人権侵害が起こらない制度にする必要性を強調されたそうです。

技能実習は、原則3年間は転職できない仕組みで、人権侵害や賃金への不満があっても正規の手続きで別の職場に移るのは難しく、実習先から姿を消す例が後を絶たず、21年は7167人が失踪しました。

米国務省が人身売買関連の報告書で取り上げるなど、海外からも批判が出ているのは周知の事実です。 技能実習制度は、企業などで外国人を受け入れ、習得した技術や知識を母国の発展に生かしてもらう目的で1993年に創設されました。法務省によると、国内で働く技能実習生は2021年末時点で約27万6千人。

新型コロナウイルスを受けた入国制限で19年末(約41万人)から大幅に減りましたが、制限が緩和され再び来日が増えていいますが、頻繁に繰り返される実習生への人権侵害、法務省が利権者達と、どのように戦い、制度の見直しが図れるのか、今回こそは期待したいと思います。

 

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