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意外と知らない短期滞在ビザ

コロナ禍で止まっていた海外との人の往来が回復してきています。コロナ前の2019年度に日本を訪れた外国人の数は3119万人でしたが、そのうちの約9割は在留資格の区分でいうと「短期滞在」での入国でした。「短期滞在」というのは、日本滞在中の活動目的が「観光、商用、知人・親族訪問等90日以内の滞在で報酬を得る活動をしない場合」に該当します。

今回は、在留資格の中ではちょっと特殊な「短期滞在」について、理解を深めるために用語の確認も含めてまとめておきたいと思います。

 

外国人観光客の多くは“ノービザ”でやって来る

「短期滞在」には「ビザ免除措置」というのがあり、現在、69の国・地域が「ビザ免除国」として定められています。ビザ免除国のパスポートを持つ外国人は、「短期滞在」であれば、ビザがなくても、いわゆる“ノービザ”で日本に入国できるのというのがビザ免除措置です。

多くの外国人観光客が“ノービザ”で来日するため、ビザなしでも“観光ビザ”と言われることもあるようです。2019年度の実績では「短期滞在」で入国した外国人の約7割がビザ免除国の方でした。一時は、コロナの水際対策により停止されていたビザ免除措置ですが、昨年、2022年10月に再開され、その他の水際対策の緩和も進み、海外からの人の流れが回復してきているのが現在の状況です。

「ビザ免除国」の方は、観光だけでなく、短期の商用や知人・親族訪問等であれば、気軽に“ノービザ”で日本にやって来ることができます。そこで、気をつけたいのは「短期」という期間だけでなく、「報酬を得る活動をしない」という条件に当てはまるかどうかです。

 

入管法における「報酬」とは?

報酬とは、次のものを除くとされています。

・業として行うものではない講演に対する謝金
・日常生活に伴う臨時の報酬
・その他の法務省令で定めるも

「その他法令で定めるもの」は、施行規則でもう少し詳細が挙げられていますが、業として行うものではない活動に対する謝金、賞金その他の報酬は、「報酬」から除外されます。

逆に言うと、たとえ少額でも、業として行う活動に対して支払われるお金は報酬と見なされます。また、「業として行う」とは、ここでは反復性を伴うものと考えればよいでしょう。

 

「短期滞在」は他の在留資格とビザの申請手続きが異なる

「短期滞在」以外、就労や長期滞在が目的のビザを申請する場合、外国人本人が海外でビザ申請を行う前に、先ずは、日本にいる招へい人や受け入れ機関が本人の代理として、法務省出入国在留管理庁に対して「在留資格認定証明書(COE)」の交付申請を行います。「短期滞在」ではCOEは不要なため、日本側での申請手続きはなく、必要なのは本人による海外でのビザ申請のみです。この点、簡単なようではありますが、招へい人となる場合は、本人へ必要書類を送る必要があり、他の在留資格とは異なる手順で、別の書類を作ることになるため、区別して対応する必要があります。

短期滞在ビザの申請方法や必要書類のフォーマットは、法務省出入国在留管理庁のHPではなく、外務省のHPに掲載されています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/index.html

 

「ビザ」と「在留資格」

一般用語としての「ビザ」は、「査証(ビザ)」と「在留資格」を合わせた意味合いで使われていることが多いようですが、日本の法律用語では、「査証」と「在留資格」は別のものです。査証は、申請人本人が日本に来る前に在外公館(日本国大使館又は総領事館)において申請するものであり、日本国内では申請できません。査証が交付されると申請人のパスポートには「日本国査証(JAPAN VISA)」と書かれた大きなシールが貼られます。

「査証」を受けていることは入国の要件の一つではありますが、入国を保証するものではありません。「入国審査」では、パスポートや査証の有効性の他、入国目的(日本で行う活動が在留資格に該当するか)、滞在予定期間、上陸拒否事由に該当しないかが審査されます。要件を満たしている場合、入国審査官から「上陸許可」が与えられ、パスポートには「上陸許可」の証印シールが貼られます。この小さなシールには、日本で行うことのできる活動等を示す「在留資格」、日本に滞在することのできる期間である「在留期間」などが表示されています。一次有効(single entry)の査証は、上陸審査を受けた時点で使用済みとされ、日本滞在の根拠は「上陸許可」になります。“ノービザ”で入国しても、パスポートには「短期滞在」の「上陸許可」の証印シールが貼られます。

 

日本のパスポートを持っていると、観光であれば多くの国に“ノービザ”で渡航できるため、自分の経験としてビザ申請というものに馴染みがないという方も多いと思います。また、久々にビザ関連の業務が発生して戸惑っている方もいらっしゃるかも知れません。日本にやって来る外国人がますます増えそうな今日この頃、僅かながらでもモヤモヤの解消に役立ちましたでしょうか。

参考:出入国在留管理統計

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