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留学生の在籍区分「研究生」「聴講生」とは?

留学生の在留資格認定、更新、変更の手続きを行うとき、申請書の中に「在籍区分」という項目があります。弊社のお客様には大学や大学院に在籍する方が多くいらっしゃいますが、大学の学部生、大学院の博士課程や修士課程の学生の他、「研究生」や「聴講生」という在籍区分の方もいらっしゃいます。そして、「研究生」には更に2つの区分があります。今回は、なぜ、こんなに在籍区分が分かれているのか、その違いは何なのか、について理解を深めておきたいと思います。

非正規生に分類される

 先ず、「研究生」や「聴講生」は、大学の入学選考を通過して学生として大学に在籍しますが、学位を取得できる正規生ではなく、非正規生という区分になります。また、授業に参加しても正規の単位取得や成績は認められません。学校教育法で定められた在籍区分ではなく、各大学の学則等に基づいて認められている在籍形態であり、名称や入学資格も大学によって異なることがあります。表にまとめて整理してみました。

 

自由度の高い在籍区分である

非正規生分類されるものとしては、その他に、「科目等履修生」と「別科生」があります。「科目等履修生」は、何らかの資格取得のために必要な科目など特定科目だけの修得を目的とする学生で、「研究生」や「聴講生」と同様、留学生とは限りません。一方、「別科生」は、留学生特有の在籍区分で、大学での勉強に必要な日本語等の予修得を目指すコースになります。どちらも、非正規の学生ではありますが、単位の修得が認められ成績も付きます。それらに比べると、「研究生」や「聴講生」は自由度の高い立場であることが分かります。

一般的に、留学生が「研究生」や「聴講生」として在籍するのは、大学や大学院を卒業して次のレベルへの進学に備えて研究を行う場合や、海外の大学に在籍しながら論文執筆中の調査研究のために、一定の期間、日本の大学で指導を受けながら研究を行う場合などが想定されます。しかしながら、運営は各大学に任されているため、場合によっては、不法就労につながる就労目的の外国人受入れの温床にもなりかねないという問題も孕んでいます。

上陸審査基準と審査の規定

このような問題に対処するため、在留資格「留学」の上陸審査基準では、以下のような規定が設けられています。

在留資格「留学」<上陸基準省令>第3号

三 申請人が専ら聴講による教育を受ける研究生又は聴講生として教育を受ける場合は、第一号イ又はロに該当し、当該教育を受ける教育機関が行う入学選考に基づいて入学の許可を受け、かつ、当該教育機関において一週間につき十時間以上聴講をすること

ここでは、「一週間につき十時間以上聴講」が必要という聴講の条件が設けられていますが、研究生の中には、聴講生のように授業を受けるだけの(専ら聴講による)学生だけでなく、指導教員の下で特定のテーマについて研究する(専ら聴講によらない)学生もいます。そのため、入管の審査要領では、「専ら聴講による教育を受ける研究生又は聴講生には履修届けの写し又は聴講科目及び聴講時間を証する文書を提出させ、基準第3号に適合することを確認する」という規定の他に、「専ら聴講によらない研究生の場合は研究内容を証する文書により勉学の目的を確認する」という規定が設けられています。

「研究生」「聴講生」の在留管理は厳しくなるのか?

つい先日のニュース記事で、大学や専門学校で受け入れた留学生が就労目的などで所在不明となることを防ぐため、政府が外国人の在留資格付与基準を定めた「上陸基準省令」を改正する方針を固めた、という報道がありました。留学生を巡っては平成31年、一部の大学などで日本語学習などの名目で受け入れた研究生を中心に、正規の学部生ではない多数の学生らが行方不明となり、一部は就労目的だったことが発覚。政府が令和元年6月に対策方針を定め、対策の具体化を進めていたとのことです。

留学生の在籍管理に問題のある大学などへの留学希望者には留学資格を付与しない、受け入れ先の在籍管理体制整備を要件に追加する、所在不明者が特に多かったとされる研究生や聴講生については今後、日本語学習目的での留学は認めない、などの方針が示されているとのことですので、今後の法令変更にも注目していきたいと思います。

(S.I)

参考:審査要領
出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令 | e-Gov法令検索
<独自>不適正大学への留学停止へ、政府が省令改正方針 所在不明問題で – 産経ニュース (sankei.com)

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