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【Youtubeアップしました】なぜ日本の難民認定1.19%の狭き門なのか?

さて、本日は難民認定1.19%の狭き門という記事を目にしましたので、日本経済新聞の記事を一部引用し、解説していきたいと思います。

ロシアによるウクライナ侵攻が深刻な難民問題をもたらしており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は第2次世界大戦以来、欧州で最多ペースと明らかにしました。

岸田文雄首相は2日、ウクライナの避難民に関して記者団に「まずは親族や知人が日本にいる方々を受け入れる。
それにとどまらず人道的な観点から対応する」と表明しました。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると3月6日時点で、ウクライナから近隣諸国への避難民は150万人以上に膨らんだそうで、
グランディ難民高等弁務官は「欧州で戦後最大の難民危機」と警鐘を鳴らしています。

日本の難民受け入れの実績は、2020年に日本に難民申請した3936人のうち認定したのはわずか47人と1.19%にすぎなく、
新型コロナウイルス流行前の19年は0.42%と無に等しい数字でありました。

難民支援協会によりますと同年のカナダは56%、英国は46%と申請者の半数を占めるほど、日本の難民許可数と比べると大きな差があり、日本の少なさが目立ちます。

現時点では日本を希望するウクライナからの避難民の規模ははっきりしておらず、侵攻が長期化するかどうかで大きく変わりうるためだという見解です。
現在、国内にいるウクライナ人は合計1900人程度ですが、その10人に1人の家族が日本への避難を希望して来日したとしても190人に達することになります。

このケースだけでも今の難民認定者の40~50人程度を一気に上回ることになります。
日本は大量の避難民の受け入れに対応できるのでしょうか。日本の受け入れが少ない理由の一因は厳格な制度があります。
「人種、宗教、国籍などを理由に迫害を受ける恐れがある」と難民を定義する難民条約を根拠に、要件にあてはまるか厳格に審査しているそうです。

受け入れに積極的な欧州や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は「補完的保護」という考え方をとっており、
難民条約に当てはまらなくても身体の脅威がある場合などには保護すべきだという基本理念であるからです。

「国が守ってくれない人を、国際社会で助けよう」というのが、難民保護の基本的な考え方で、保護をするのは、まずは逃れた先の国です。

ではなぜ日本では難民認定が厳しいのでしょうか。
日本では保護するという視点から見ると、異質な手続きがとられています。

例えば、審査の過程で難民申請をしている方自身が、客観的な証拠に基づいて、本国に帰れない理由を証明しなければなりません。

しかし、迫害の事実を証明するのは難しいものです。命からがら迫害や紛争から逃れた難民の人たちが、客観的な証拠を持ち合わせていることは皆無に等しいのが現状です。

そのため、国際的な基準では、帰国できない理由を証明することが難しいという難民の人たちの特別な事情を考慮し、
難民の人たちの利益にかなう形で難民認定の判断を下すことが求められています。

また、日本政府は証拠書類を日本語で提出することを求めており、難民の人たちに言語の壁が立ちはだかっています。
日本に来て難民認定に申請する人たちのうち、ほとんどの人が日本語に堪能ではありません。

そのため、証拠となる資料を自力で翻訳することはできず、また、翻訳費用を用意することも経済的に難しい場合がほとんどです。
この言語の壁が、迫害の事実を証明することをさらに難しくしています。難民の人たちをきちんと審査するためには、非常に高度な専門性が必要です。

2005年より、難民に関する法律や国際情勢の専門家の人たちが難民の審理手続きの一部に加わり、日本政府に意見を提出する制度ができました。

しかし、その専門家の意見には法的拘束力はなく、せっかく専門家が「難民認定」の意見を提出しても、国によって結局は「不認定」の判断が下されることがあるのが現状です。
実はこうした問題の解決策と位置づけていたのが、政府が21年の通常国会に提出した出入国管理法改正案でした。

法務省は入管法で外国人の受け入れを広げるために難民に準じた新資格「補完的保護対象者」の創設を提案していたそうです。
施設に半年以上収容され死亡したスリランカ女性の事例が批判を浴び、法案自体が廃案となってしまいました。

受け入れを拡大する補完的保護対象者は国内の収容問題と直接的関係が乏しいものの、法案の再提出の機運もありましたが、今年の夏に予定されている参議院選挙の影響を懸念し、法案提出は見送りとされてしまいました。
今回の日本の対応について、難民の受け入れに消極的と批判を受けてきた日本の開国への姿勢が試される時だと思います。

Youtubeチャンネルでご説明しております。ぜひご視聴ください。

 
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