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【Youtubeアップしました】外国人の子供の就学支援

本日は、外国人子女の日本語教育について2月15日に配信しましたが、
外国人児童・生徒らの教育機会の拡充が課題だと力を入れてこの問題に取り組んでいる日立財団の活動について見て行きたいと思います。

日立財団は2015年に日立製作所系の5財団を統合して発足し、使命は①学術・科学技術の振興②人づくり③地域コミュニティー支援の3つであるそうです。
地域コミュニティー支援は19年に「多文化共生社会の構築」に衣替えし、
SDGs(国連の持続可能な開発目標)をはじめ、包摂の心を持つ社会づくりが今後求められると考えたそうで、
重視しているのが「外国につながる子ども」、すなわち外国籍だったり、日本国籍でも日本語が不自由だったりして、就学・進学に困難を抱えている子どもの支援とのことです。

日本の高校進学率は21年度で98.9%。
つながる子どもの進学率のデータはまだないそうですが、外国人登録者数と高校在籍者数から試算すると約37%にとどまるそうです。

外国人の場合、小中学生世代の就学率も7割程度と見られるそうですが、低い高校進学率の問題はより大きいとのことです。
18年の文部科学省調査では、日本語指導が必要な生徒らの大学などへの進学率は42.2%(公立高校生全体では71.1%)。
高校段階の単年度中退率は9.6%(同1.3%)で、高校卒業までの3年間に入学者の約3割が中退する計算になり、
非正規就職率は40.0%(同4.3%)、進学も就職もしていない者の割合は18.2%(同6.7%)。

つながる子どもが成長し社会で活躍する機会は日本人生徒に比べあまりに少なく、本人・家族だけでなく社会的にも大きな損失となります。
次に注意したいのが、親に帯同されて来日し「家族滞在」の在留資格で暮らす子どもの存在で、
高校生世代の外国籍者約4万人のうち約15%、6千人が該当します。彼らは日本学生支援機構の奨学金受給資格がありません。

また、就職する場合の労働時間は週28時間以内に制限され、正規就労はできません。
ただ現行制度では義務教育修了と高校卒業と就職内定で「定住者」、高卒と就職内定で「特定活動」の在留資格が得られ、労働時間の制約がなくなることから、
彼らにとって高卒資格の価値は格別に大きなものです。

日本で生まれ育つ子どもの小中学校への就学と学びの支援が重要であり、加えて小学校高学年や中学生くらいで親に帯同されて来る子には、
高校の生徒募集での特別枠が大きな意味をもつことになります。

神奈川県の取り組みが参考になりますが、 同県は1995年から県立高校に入学特別枠の制度(これは来日3年以内の生徒が対象となるものですが)を整備され、
数年に一度、枠がある高校の増設や既存の枠の拡大を行い、教育機会の拡充と高校での多文化共生教育の実践を進めています。

22年度からは対象を来日6年以内に広げ、5校42人を増枠し合計18校187人になり、増枠は県内の公立中学72校にある「国際教室」卒業生の進路データに基づいて計画され、学校や県民の理解を得ているそうです。高校進学に向けては多言語の進学説明会を県内6カ所で開催。
中学校教員が引率し、生徒と保護者が足を運びます。

入試制度や特別枠、試験での特別な配慮などの説明があり先輩の話も聞くことができます。
丁寧な情報提供で中学生は将来の自分の姿を想像でき、中高の教員と地域の支援者らの連携の機会としての効果も大きいそうです。
日本が外国の人々から選ばれる国になるためにも、持続的な成長やイノベーションのためにも、多文化経験者であるつながる子どもたちの力を生かさないのはもったいないなく、
奨学金制度、高校と大学の特別枠、職業訓練校での日本語指導が必要な若者枠の設定など、多くの支援が必要であり、定時制高校の役割も大きいと思います。

彼らの人生に4つの壁があると思います。
小中学校での基礎学力定着、そして高校進学、高校での学習定着、次に社会参加・自立。各段階の壁に、日本人にはない困難や悩みを抱えながら挑まなくてはならないことは明白です。
外国籍の彼らという貴重な人財が国内にはおり、社会や企業の理解を得て、彼らの活躍する力を育て生かして、
日本に定着してもらい少子化問題の一助の人材となってもらえるように、重要なのは小中から就職や自立までの一気通貫した伴走型の支援です。
切れ目ない仕組みの構築が必要だと思います。

Youtubeチャンネルでご説明しております。ぜひご視聴ください。

 

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