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【Youtubeアップしました】「難民鎖国」の汚名の返上?

日本の難民受け入れ態勢は、国際基準との隔たりが大きく、
「難民鎖国」の汚名の返上ははるかに遠い道のりだと、そう言わざるを得ない状況です。

本日は日本経済新聞の社説を一部引用して見ていきたいと思います。

さて、出入国在留管理庁が昨年中の難民認定状況を発表しましたが、
難民条約に基づく「難民」とされたのは74人で、日本が加入した1981年以降最多となりましたが、
国軍によるクーデターが起きたミャンマー情勢が影響したもので、認定行政に大きな変化があったわけではないそうです。

世界各地で対立や争いが絶えず、毎年数千人から数万人の規模で難民を受け入れる国があるなか
日本は直近10年間をみても50人を超えたことはなく、国内外から大きな批判を浴びてきたのが現状です。

政府は条約上の難民の定義をもとに、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員、
政治的意見の観点から「迫害を受けるおそれがある十分な理由」があるか否かを精査し、証明する文書などを個別に要求していますが、
証言してくれる人を見つけるのも困難で、不可能を強いるに等しいと指摘されてもおかしくない審査を行っており、
そもそも難民をいかに受け入れないように国外に退去させるか、に注力しているように思えてなりません。

一方、国連の難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、実際に起きている人道危機に目を向け、
たとえば性自認を理由とする迫害も救済の対象にするなど、認定に関する指針を適宜見直しているのが現状です。

多くの国はこれに準拠して行動するため、乖離(かいり)は広がるばかりです。
昨年は、施設に収容されていたスリランカ女性の死亡を機に入管当局の閉鎖的な体質に注目が集まり、

難民認定申請中の人を送還しやすくしようとした入管法改正案は廃案になったことがありましたが、
夏の参議院選挙後には、改めて法案を提出する予定のようで、スリランカ人女性の死後の批判を一時的にかわす目的であったようです。

入管庁は今年1月、「広い視野」「公正な目と改善の意識」「人権と尊厳を尊重」などをうたった「職員の使命と心得」を定めましたが、
この考えを踏まえ、難民認定のあり方についても抜本的な見直しが求められるのは急務です。

その場しのぎの言動にならないことに期待したいと思います。
難民とは別に、昨年は「人道的配慮」で580人(うちミャンマー国籍が498人)の在留が認められました。
前年の44人からの大幅増となりましたが、あくまでも「配慮」の対象であって保障される権利は弱く、
難民認定の代わりにはなり得ないことに留意しなければならないと思います。

また、ウクライナの戦禍を逃れて来日した人は、既に900人を超しますが、政府が緊急措置で入国に道を開いたのは当然ですが、
イスラム主義勢力が再び権力を握ったアフガニスタンをはじめ、保護が必要で日本への渡航を望む人は他にもたくさんいるのが現実です。

日本の二重基準、2枚舌政策は、国内外に対して不信をさらに深めることになり、成果からの信頼の失墜になりかねません。
日本政府は外国人の受け入れに対して何度も同じ過ちを繰り返しており、
以前は労働者不足の解消のために日系ブラジル人やペルー人を受け入れた際に、縦割り行政の弊害で、政策の失敗をしています。

今後はその教訓に学んで、ただ受け入れるだけでなく、仕事や教育機会の確保、相談窓口の整備などが不可欠なのは、改めて言うまでもないことですが、
外国人が縦割り行政の犠牲にならない様に、内閣府に新たに総合的に政策を実行できる組織を作り、より広い保護と、より深い支援に取り組むのが国の責務だと考えます。

 

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