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「アメリカで出産したい」は叶えられるか?妊娠中の海外渡航事情

バースツーリズムという言葉をご存知でしょうか。80年代から90年代頃にアジアを中心に南米、東欧の富裕層の妊婦が出生地主義(生地主義)を採用する外国で出産し、子供にその国の国籍を取得させることを目的とした海外渡航がブームとなり、一時話題になりました。

米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドなどが主な渡航先に選ばれ人気がありましたが、バースツーリズム目的の渡航が殺到し、その結果、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドなどは出生地主義を撤廃するにまで至りました。
現在も国籍を問わず、特に米国で出産したいと考える方がいらっしゃり、弊社でも時々お問い合わせを頂きます。


【出産を目的としている場合、取得出来るビザはあるのか?】

米国で出産をしたい、と考えている方は最大90日の滞在が可能なESTAよりも長く滞在できるBビザ取得を思いつく方もいらっしゃいます。しかしながら出産目的でのBビザ申請では、ビザ取得が出来る見込みはほとんどないのが現実です。
米国はトランプ政権下の2020年1月、いわゆるバースツーリズム目的の入国を制限するために、短期滞在用のBビザの発給要件を厳格化し、その結果、領事の判断で出産のために観光ビザを使って米国を訪れようとする申請者へのビザ発給を拒否できるよう、法改正がなされました。これはバイデン政権に移行した今も変わらず有効な規定です。
医療上の理由により米国で出産しなければならない場合はこの限りではないですが、それを証明するために、診断書をはじめとする書類、受け入れ先の米国医療機関発行の書類、また十分な資金があること、他にも説得力のある理由が必要となります。
このように、出産目的での渡米は認められませんが、出産前の体調が落ち着いている時期であれば、ESTAでの一時的な観光渡航はもちろん可能です。しかしながら昨今、米国の入国審査がかなり厳格化されていることは多方面で報じられているため、ESTAであっても入国審査時に入国の目的が観光以外に何かありそうであったり、滞在予定日程が長い、あるいは未定とした場合などは入国審査官から追加の質問を受ける場合も考えられます。あくまで短期の旅行であることを証明する為に、宿泊予約内容がわかるもの、または帰路の航空券を所持していることなど、米国に長期滞在する意思がないことを明確に証明できるように準備をしたほうが良いでしょう。
また、妊娠中の場合は利用する航空会社によって規定があり、加入できる海外旅行保険にも限りがあるので注意が必要です。

【航空会社】
会社により規定は若干異なりますが、出産予定日の7日から28日前(36週)に航空機に搭乗する場合は、医師の診断書及び旅行許可証明書の提出を呼びかける会社がほとんどで、会社によっては医師または看護師の同行を必要とする航空会社もあります。また、翼の横にあたる非常口座席は一般的に前の座席との幅が広く、その快適性から追加料金を払って座席指定をする方も居ますが、緊急時には脱出の援助をする役割を果たすことに同意の上利用できる座席のため、航空会社が定める妊娠中の乗客(出産予定日の7日から28日前または36週など)とみなされる場合は利用できません。

【海外旅行保険】
海外で医療機関を受診すると高額であることはご存知の方も多く、万が一に備えて海外旅行保険に加入することが推奨されています。
しかし、妊娠中の場合は通常よりも医療的にリスクが高い為、加入不可とする海外旅行保険が多いのが現状で、妊娠中でも加入できる保険は数が限られています。また、加入できても妊娠22週程度までであったり、旅程も最大30日程度の場合がほとんどの為、注意が必要です。
実例として、旅行先で妊娠中の女性が緊急搬送され、海外旅行保険に未加入だったことから入院費などで1000万円以上請求されたケースもあります。

【申告が必要な妊娠を隠して航空機に搭乗、のちに強制送還になったケースも】
2015年にあった実例として、台湾から米ロサンゼルス国際空港に向けて太平洋上を飛行中であった旅客機内で、台湾国籍の女性が女の子を出産しました。幸い、搭乗していた大学病院の医師立ち合いのもと、無事機内で出産しましたが、飛行機は目的地ではない、米アンカレッジ空港に緊急着陸し、親子はただちに現地の病院に搬送されました。しかし、この女性は当時、利用予定の航空会社の規定で事前申告が必要な妊娠36週目であることを隠してチケットを購入し、空港チェックインにおいてもそれを偽っていたことが発覚した為、米国で意図的に出産する事が目的だったと判断され、女性はただちに国外退去(強制送還)になりました。またこの場合は、永久的に将来の入国を認められない場合もあるそうです。

このように、航空会社や保険会社のみならず、国によっては入国に関わる厳しい処分を下すケースもあるようです。

以上のことから、近年は出産目的の渡航は米国を含めてなかなか叶いにくい、と言わざるを得ませんが、何よりも母子の安全のためには無理な渡航は避けた方が良いと言えるでしょう。

弊社では、多数の米国Bビザ申請サポート実績があります。その事例は一例ごとに事情が異なるため、数多くの経験をもとに柔軟に対応致します。まずはご自身の目的がBビザ申請に当てはまるかご心配な方はお気軽にお問い合わせください。

本ブログは現時点での情報であり、最新情報についてはお客様の責任において、政府公式サイト等でご確認ください。

(MM)

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