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出産・育児サポートのためにアメリカに長期滞在したい。ビザ取得の可能性は?

アメリカで出産するためのビザはあるのか?

「アメリカで出産したい、は叶えられるか?妊娠中の海外渡航事情」というブログを公開しておりますが、今回は出産や育児サポートのための渡米を目的としたビザ取得は出来るのか?解説いたします。

「米国で暮らす娘の出産サポートのために、長期滞在や頻繁に渡米できるビザがほしい」
「米国在住の知人に幼い子供がいて、もうすぐ2人目を出産。育児サポートなど身の回りの手伝いをしてあげたいのでESTAの90日滞在では足りないからビザ申請をしたい」
このようなご相談が時々あります。どちらも目的としては明確であり、人のために何かをするという素晴らしい理由ではあります。
しかしながら、このような目的に合致する米国ビザは残念ながら現在のところ、存在しません。また、この目的でビザ申請をした場合、許可を得るのは大変難しいと考えられます。Bビザであれば親族・知人訪問に当てはまるのではないか?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、いくつか考えられる懸念点についてご説明いたします。

【ESTAの存在】

日本国籍者およびビザ免除プログラム参加国の国籍者は、短期出張や観光であれば通常ESTAでの渡米が可能で、最も一般的です。ESTAは承認されれば通常2年間有効、一回で90日間滞在できる大変便利な渡航認証プログラムです。その為、ESTA申請が可能なのに何故ビザが必要なのか?ということになります。「出産・育児サポートだから90日以上滞在したい」は、一般的には真っ当な理由にも見えます。しかし、ビザ取得の観点では残念ながら90日を超えて数ヶ月に渡るサポートが何故必要なのかが曖昧で、信憑性に欠ける、と捉えられるようです。

【移住や就労、不法滞在の可能性】

Bビザをはじめとする米国の非移民ビザについて、審査をする領事たちは全ての申請者に対し、移住や就労の意思があると仮定しています。その為、申請者は決して住みつくつもりも、働くつもりもない、という事を証明しなければなりません。出産や育児サポートで一時的に手伝いに行くだけでいずれ日本に帰るつもり、という考えであっても、出産の場合は出産してから育児が始まり、それは子供が成長するまで続くものです。その為、数ヶ月だけのサポートのつもりであっても、育児という長いスパンでのサポートではその予定を大幅に超えて滞在、そのまま住みつくと疑われる可能性があります。また、その場合は必然的に生活の為に働き始めるのではないか?、育児サポートそのものによって収入を得るつもりではないか?と思われる場合もあります。

【90日以上の滞在をしたい。それが出来る=自国(申請地)との結びつきが薄い】

非移民ビザの申請者は、自国(申請地)との強い結びつきを領事に証明しない限りビザ取得はできません。上記で説明した、移住や就労の意思がなく、渡米目的を達成したら必ず自国(申請地)に帰ることをいくつかの証拠により、領事を納得させる必要があります。90日以上も自国(申請地)を離れられる、となるとまず仕事をしていないのか?家や家族は?という疑問から、そのまま米国で移住や就労をするつもりがある、とみなされやすくなってしまいます。

【子育て文化の違い】

米国ではベビーシッターやナニー、そしてオペアなど、血縁者や知人ではない人による子育てに関するサポートが一般的に浸透しています。

  • ベビーシッター
    一時的に、両親が仕事や私用で不在にしなければならない時に子どもの面倒やお世話をするもので、学生などが単発のアルバイトとして雇用されていることが多い。
  • ナニー
    「保育のプロ」として、専門のトレーニングを修了し、知識や技術を有しており、フルタイムの仕事。単に子供の面倒をみるだけでなく、送迎や料理、家事など、様々な仕事をこなす場合が多い。
  • オペア
    米国の異文化交流プログラムの1つで、外国人が米国にてホームステイをしながらその家の子供のお世話をするもの。この場合はJ1ビザが該当。(オペアはあくまでプログラムのため資格要件あり。年齢制限や家族以外の子供に対する一定の保育経験等が必要な為、血縁者や知人の育児サポートはオペアに該当しない)

 

これほど種類豊富なサポートが存在する為、わざわざ米国外から出産・育児サポートのために血縁者や知人が訪米するということ自体、米国ではあまり一般的ではないようです。したがって文化的な観点からも領事の理解を得るのが難しい可能性も考えられます。

【使用人ビザとしてのB1ビザは?】

B1ビザに使用人ビザとよばれるビザが存在します。このビザで使用人として渡米し、出産・育児サポートが可能なのでは?と考える方がいるかもしれません。しかしながらこちらは要件がいくつかあり、それらを満たす必要があります。ポイントとして、申請者の使用人としての実務経験、渡米前に一定期間、雇用主と使用人の関係がもともとあったことを証明する必要がある為、残念ながら使用人ビザ申請は難しいと言えるでしょう。

これらを踏まえ、どうしても出産・育児サポートのために渡米を希望する場合には、残念ながらビザ取得による長期滞在や頻繁な渡米を諦め、ESTAを利用の上、90日以内の短期滞在かつあくまで親族・知人訪問目的という渡米を考えた方が現実的かもしれません。もしどうしてもビザを申請・取得したい場合には、領事を納得させられる妥当な理由とその証明を入念に準備する事をお勧めします。

今回ご紹介した出産・育児サポートという献身的で良心的な目的であっても、ビザ取得が難しい米国のビザ事情ですが、どのような目的であれ、ビザ申請の際には慎重に準備を進める必要があります。一度でも却下になった場合、再申請のハードルは高くなる傾向にあり、将来の渡米が難しくなってしまう事を避ける為にも特に初回のビザ申請準備が非常に重要といえます。

弊社ではビザ申請サポートの前段階として、有料コンサルティングをご提供しております。この理由でビザは取れるのか?どのビザが当てはまるのか?など、ご不明な点について丁寧にヒアリングの上、アドバイスいたします。お気軽にお問い合わせください。

本ブログは現時点での情報であり、最新情報についてはお客様の責任において、政府公式サイト等でご確認ください。
(MM)

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