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2024.07.09日本ビザ
高度専門職ポイントを立証する資料とは
在留資格を高度専門職へ変更(または更新や認定)の際には、行おうとする就労活動に応じた申請書に加えて、「ポイント計算表」と「ポイントを立証する資料等」を提出する必要があります。弊社でも、お客様から「ポイント加算のためにはどんな資料を提出したら良いのでしょうか」というお問い合わせを頂くことがあります。
そこで今回は、弊社のお客様からご相談を頂くことが多い、学術研究活動分野での在留資格である「高度専門職1号イ」への変更申請のケースを想定して、「ポイントを立証する資料等」を中心に少し解説してみたいと思います。
はじめに、ポイント計算にかかわる資料とは別に、先ずは通常の活動内容に応じた申請書類を用意する必要があることを確認しておきたいと思います。「高度専門職1号イ」は、在留資格「教授」「研究」「教育」に相当する活動分野ですが、稼働先が大学である研究者の場合は「教授」と同じ申請書を使い、国や私企業等の研究機関で働く研究者の場合は「研究」と同じ申請書を使います。同じ「高度専門職1号イ」でも、使用する申請書の書式が異なるので注意が必要です。
次に、ポイント計算表ですが、こちらは「高度専門職1号イ」については共通です。但し、出入国在留管理庁のホームページからダウンロードできるポイント計算表の参考書式には、高度専門職1号イ、ロ、ハ用の3種類が1つのExcelファイルに入っていますので、使用するポイント計算表も間違わないようにしてください。
「ポイントを立証する資料等」については、ポイント計算表のExcelファイル内の「疎明資料(基本例)」シートを見ると、ポイント加算する項目別に必要な資料の例が掲載されています。この中で、よくポイント加算に使われるにもかかわらず、何を提出したら良いのか分かり難いものとしては、以下の3つが挙げられるかと思います。
①【特別加算】(契約機関)イノベーション促進支援措置を受けている
②【特別加算】各省が関与する成長分野の先端プロジェクトに従事
③【研究実績】学術論文データベースに登載されている学術雑誌に掲載された論文が3本以上 ※責任著者であるものに限る
イノベーション促進支援措置一覧(PDF)も、出入国在留管理庁のホームページに掲載されています。日本語縦書きの「法務省告示」そのものなので扱い難いですが、一覧のページを見ていくと、例えば、「3 文部科学省関係」の中に「二 科学研究費助成事業(科研費)」というのがあります。
もし、申請人の方が所属する大学で「科研費」を支給されている方がいる場合、「科研費」の交付決定通知書の写しが、ここでのポイントを立証する資料となります。
大学とその事業を行う政府系機関との契約書の写しなどが該当する場合もあります。
このポイントは、契約機関(所属機関)の条件によって加算されるものですので、申請人自身がこのイノベーション促進支援措置に直接かかわっている必要はありません。
一方、「各省が関与する成長分野の先端プロジェクトに従事」のポイントについては、申請人自身がそのプロジェクトに従事している必要があります。先端プロジェクトの一覧も、出入国在留管理庁のホームページに掲載されています。(将来において成長発展が期待される分野の先端的な事業一覧(PDF))こちらは横書きで見やすいです。イノベーション促進支援措置と重複しているプロジェクトもありますが、別のものですので混同しないようにしてください。
ポイントを立証する資料としては、大学(プロジェクト代表者等)宛ての補助金等の交付決定通知書や契約書の写しに加えて、申請人自身がそのプロジェクトに従事していることが証明できる資料が必要となります。具体例としては、プロジェクトのメンバー表等が考えられます。
研究実績としての論文3本の具体的な立証方法としては、Elsevier(エルゼビア)社(本社・オランダ)が提供している学術論文データベースScopus(スコーパス)の検索結果が一般的です。複数の著者による論文の場合、「責任著者であるもの」の条件を満たすためには、申請人自身の氏名が一番先頭に記載されている必要があります。論文の発表時期が古いなどの理由でScopusの検索結果に出てこない場合、責任著者であることが立証できる資料があれば提出することは可能ですが、審査にかなり時間を要すると言われています。また、Scopusでは論文の種類(Journal、Conference Paperなど)の違いも分かりますが、ポイント計算の要件としては特に区別はしていないとのことです。ですが、最終的にはすべて審査によりますので、出来るだけ異論のなさそうな3本を選ぶのが良いでしょう。
以上、「高度専門職1号イ」への変更申請の際に、お役に立てば幸いです。(S.I)
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