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香港人のパスポートについて

今回は中国大陸と香港人のパスポート事情について少しお話したいと思います。

香港人のパスポート

香港は1997年7月1日にイギリスから返還され、中華人民共和国香港特別行政区となり、一国二制度(中国本土は社会主義、香港は資本主義)を取っています。しかし、中国と言っても私にとってはまだまだ外国というイメージの方が強いです。しかも中国本土の人も香港の人もお互いに往き来するには、事前に”通行証”を取得する必要があります。

ただ、日本の中長期滞在ビザを所持している中国本土の人は、香港を経由して、日本から中国本土に行くまたは日本に戻って来る時は、7日以内であれば”通行証”は免除されます。日本ビザ(在留資格)のパワーとも言えます。4年前までは、日本の中長期ビザを所持している中国人が韓国を経由する時も30日間査証免除による入国が可能でしたが、2015年以降現在は廃止となっています。

そんな香港の人達も、現在は中国国籍となり、中国本土の国籍法が適用されており、二重国籍は認められていません。

BNOパスポート

しかし、香港の市民は2種類のパスポートを保有することが出来ます。一つは中華人民共和国香港特別行政区が発行するパスポート、もう一つは英国政府が発行するBNO(British Natioanl Overseas、英国海外市民)パスポートです。つまり、1997年の返還前の香港に居住、申請した人は、現在でも英国籍のBNOパスポートを保有することが出来ます。英本土に永住する権利はできない、EU市民ではないなどの制限はあるものの、英国籍として処遇されます。現在約350万人の香港人がこのBNOパスポートを所持していると言われています。

なお、1997年7月1日以降に香港に生れた人は、例えばBNOパスポート所持の親を持っても、BNOパスポートは取得出来なくなりました。

香港には基本的に7年以上滞在(他の要件あり)すると、香港の永住権が取得でき、香港パスポートも取得出来ます。ただ、この香港パスポートを取得した人が中国本土のパスポートも同時に所持出来るかの問題ですが、厳密に言うとそれは出来ません。

香港の永住権を取得する際には、中国本土の戸籍を抹消する必要があり、戸籍がなくなると当然パスポート自体も無効になるはずですが、中国本土では、行政官庁間のネットワーク化がまだ遅れているのが現実です。例えば、日本に帰化した中国人は中国に帰って自己申請により戸籍の抹消手続きをしない限り、基本的に中国の戸籍が残ったままになっています。稀に、帰化後に中国の戸籍抹消をしないで中国に入ってから出国の際に、出国審査で引っかかり出国禁止となり、戸籍抹消証明書を提示後に出国できたというケースがあります。

ちなみに、香港一般旅券所持者に対しては160の国と地域から査証免除やvisa upon arrivalが与えられています。一方中国本土の一般旅券所持者に対しては、69の国と地域から査証免除やvisa upon arrivalが与えられています。パスポートパワーとしては、中国本土のパスポートを遥かに超えています。

結果的には、中国本土のパスポートと香港のパスポート両方を所持することは法律的には無理ですし、両方を持っていたとしてもそれは違法であり、両方を持つ必要もありません。香港パスポートを持っていれば、中国本土においてはそれこそ一級市民なはずです。

 

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