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【Youtubeアップしました】外国人労働者の救世主となるか?

さて、最近ニュースでも外国人労働者への人権侵害問題がクローズアップされている中、企業のコンプライアンスを重視する動きが、世界のTOYOTAで、外国人材の人権侵害防止で共同相談機関を設置し、取引先も対象にするというニュースがありました。

外国人の在留資格の手続きを業としている弊社には、非常に興味深い内容ですので、考察していきたいと思います。

さて、トヨタ自動車などが今月、自社や取引先で働く外国人労働者の相談・救済機関を共同で設置することが3月16日に発表されました

勤め先企業でのトラブルや病気などの相談に多言語で一元的に対応し、深刻な場合は連携する弁護士会を通じて和解のあっせんなどを行うとのことです。

企業経営での人権尊重の取り組みは世界的に求められており、外国人材の受け入れを拡大する日本の産業界も体制を整える必要性を訴えています。

設置主体は国際協力機構(JICA)が事務局を務める任意団体「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(通称JP-MIRAI)」。

各事業者から企業規模に応じて徴収する参加費で運営します。

2022年はトヨタなど大手企業10社程度で試行し、各社の外国人従業員ら約2万人を対象にし、23年は20万人、24年は国内の全ての外国人労働者が相談できる体制をめざすそうで、外国人労働者には嬉しい発表だと思います。

職場での悩みから、日常生活の困りごと、病気・妊娠、在留資格に関する相談までチャットや電話で受け付け、中国語、ベトナム語、タガログ語など8言語で対応する体制を構築するようで、必要に応じてスタッフが病院や市役所などに同行するほか、雇い主らとの深刻なトラブルは東京弁護士会と連携して裁判以外の紛争解決(ADR)の活用を想定されています。

ビジネスでの人権侵害防止に対する関心は国内外で高まっており、取引先も含めたコンプライアンス(法令順守)の徹底が急務であり、相談しやすく安心して働ける環境を整備し、今後の外国人材獲得につなげる狙いもあるそうです。

欧州などでは自社だけでなく調達網や製造委託先でも強制労働などが行われていないか調べ、予防する「人権デューデリジェンス」や従業員らが苦情を訴えられる仕組みを企業に義務付ける動きが広がっています。

国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」も企業に対し、取引網全体で人権侵害が行われないようにする責任があるとしており、グローバル展開する日本企業も対応が不可欠となっています。国内の外国人労働者は約170万人に上ります。多国籍化が進んでおり、法手続きに詳しく多言語対応できるスタッフを各企業が確保するのはハードルが高いのが現状です。

日本で技能・技術を学ぶのが目的の技能実習生向けには法務省などが所管する「外国人技能実習機構」の多言語相談窓口がありますが、別の在留資格者、例えば特定技能等は原則として利用ができません。国や自治体も担当分野で窓口が分かれ「どこに相談したらいいか分からない」との声が出ており、当チャンネルでも以前動画を配信しましたが、JICAなどは、政府の目指す経済成長を2040年に達成するには現在の4倍近い674万人の外国人労働者が必要とされており、アジア地域では母国の経済成長によって日本で働こうといった意欲が薄れる可能性があり、国内の労働力需要に対し42万人が不足するとも分析しています。

今後の人材確保という観点からも、外国人労働者が安心して働ける環境や相談しやすい仕組みづくりの構築を急がないと、2025年に起きるであろう中国、台湾、韓国との外国人労働者の争奪戦の敗者となり、日本が人材不足となり、労働者確保に手の打ちようがなくなると思います。果たしてこのスキームが外国人労働者の救世主となるのか、今後の動きを注視していきたいと思います。

 

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