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米国でのボランティアについて

みなさんこんにちは。今日は米国でのボランティア活動に関わるビザについてご案内します。

まず、一般的にボランティア活動とは何をさすのでしょうか。

日本の厚生労働省は以下のように記しています。

  • ボランティアについて明確な定義を行うことは難しいが、一般的には自発的な意志に基づき他人や社会に貢献する行為を指してボランティア活動と言われており、活動の性格として、「自主性(主体性)」、「社会性(連帯性)」、「無償性(無給性)」等があげられる。
  • ボランティア活動は個人の自発的な意思に基づく自主的な活動であり、活動者個人の自己実現への欲求や社会参加意欲が充足されるだけでなく、社会においてはその活動の広がりによって、社会貢献、福祉活動等への関心が高まり、様々な構成員がともに支え合い、交流する地域社会づくりが進むなど、大きな意義を持っています。

 

最初に、明確な定義を行うことは難しいと書かれている通り、私たちは通常、ボランティアという表現については定義をさほど深く考えることなく、人のために何かを無償で行った場合、たとえその行為が自主的ではなく相手から頼まれて行った場合でも、報酬をもらわなかった時は「○○という行為はボランティアで行った」と言うことがよくあります。例えば、勉強を教える、楽器の演奏を教える、日本の芸術(茶華道など)を教える、または仕事のお手伝いをする、しかし報酬はもらわないという場合です。

ただ、この「ボランティア(活動)」という言葉は、米国での入国審査の時には注意が必要です。

渡米の際、入国審査において入国審査官から、「アメリカには何をしに来ましたか?」と聞かれます。この時に「観光です」と答えたものの、他の質問に受け答えしている間に、一連の流れで「ボランティアで子供たちに日本語を少し教えますが、報酬はもらいません。」「ボランティアとして生け花教室でレッスンをしますが、レッスン料はもらいません。」と言ったとします。渡航者の方が、米国にはあくまでも一時的、計画的な滞在、かつ米国源泉の報酬は受け取らないため、これらの行為に対して「ボランティア」ですと表現してしまうのは分かります。しかし、米国での入国審査官には、これらの行為に対して「ボランティア」というのは通用しないのです。残念ながら、ボランティアと言ったことにより、別室に連れて行かれて、最終的には就労を疑われ、入国拒否になるというケースがあります。米国を源泉とする報酬を受けないので就労にはあたらないのに、なぜ疑われるのかと不思議になると思います。それは、たとえレッスン料(報酬)を受け取らなくても、もし渡航費、交通費、宿泊費、または食事代を別途受け取る場合は、それらがレッスン料の代わりだとみなされ、報酬を得たと解釈されてしまうからです。

もちろん、渡航者の方はそのつもりはなくても、これらを入国審査官にうまく説明をして説得するのはとても難しいことなのです。これには理由があります。なぜなら、米国ビザ申請に関わるボランティア活動の定義は、私たちが一般的に使うボランティアという考え方と違うからです。

それでは、米国ビザ申請に関わるボランティア活動とは何かをご説明します。

米国大使館にサイトにも書かれている内容ではありますが、以下のとおりです。

ボランティア活動は、米国の地域社会に利益をもたらすボランタリー・サービス・プログラムに参加する人が、特定の公認宗教団体または非営利慈善団体のメンバーであり、実施される活動が従来ボランティアの慈善活動家によって行われている場合を指します。そして、この場合はB-1ビザに該当します。

ボランタリー・サービス・プログラムとは、公認の宗教団体または非営利の慈善団体が、貧困層や困窮者に援助を提供したり、宗教的または慈善的な大義を推進するために行う組織的なプロジェクトのことを指します。

また、ボランティア活動をする場合は、米国での滞在に必要な経費やその他の払い戻しを除き、米国側から給与や報酬を受けてはいけません。そして、物品の販売や寄付金の勧誘・受領に従事することもできません。

更に注意事項として、ビザを所持している方もESTAを利用する方も、米国でこのようなボランティア活動を行うために入国審査を受けるときは、次の条項が含まれた米国スポンサーからの手紙を提出するように必要があります。

  • 姓名、生年月日、出生地
  • 米国外居住地の住所
  • 米国での最初の目的地および住所
  • 予定期間(※)

 

なお、(※)Bビザの有効期間は10年、最初の滞在許可期間は6カ月です。ビザの有効期間と滞在期間は同じではありませんのでご注意ください。米国への入国の際に米国移民局(USCIS)の審査官が米国における滞在期間を決定します。最長連続滞在許可期間は1年ですが、滞在期間の延長は、突然またはやむを得ぬ人道的理由がある場合にのみ認められ、最長延長期間は6ヶ月です。ボランティア予定期間との兼ね合いもありますので、滞在期間には気をつけください。

米国でのボランティア活動は、活動団体や内容が決められています。もし活動が上記の説明に一致しない場合は、交流訪問者(J-1)または一時的な就労ビザが必要になります。

もうお分かりのとおり、通常私たちがボランティアと表現する場合とは随分違いがあります。ビザ申請は慎重にしていただくことをお勧めいたします。

ボランティア活動に関するビザ、またはその他のカテゴリーの米国ビザ申請でサポートが必要な方、何かご不明な点等ございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

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